2024年は
フェンウィック70周年!!
fenwick 70th Year Anniversary 革新の連続は伝統へ
現代のロッドメイキングの基礎はフェンウィックによって約70年前には築き上げられ、その革新的開発に、数多のロッドメーカー、そしてアングラーが恩恵を受けたことは言うまでもない。
我々は理想のロッドを追求するためには、手段を選ばない。
可能な限りあらゆる素材を試し、常に型破りなコンセプトを形にし、歴史を塗り替えてきた。
現在、私たちは紛れもなく70年前から連綿と続く歴史の延長線上にいる。
そして常に、最高のロッドを作るためにフェンウィックは存在し、探求し続ける。
70年の歩みに関してはこちら https://www.tiemco.co.jp/fenwick/history.php 様々な素材やテクニックにあわせたロッドを作り続けてきたフェンウィック。
70周年の節目となる今年、その中でも代表的なテクニックに合わせたロッドである
「フリッピンスティック」「クランクシャフト」「ベイトフィネススペシャル」「ミッドストローリングスペシャル」 この4本が、さらに磨きをかけて記念モデルとして登場します!
今回は第二回。
そのうちの一本、
クランクシャフトに関して。
010064016640 フェンウィック70THゲンテイ エイシス ACES-CS66CMLJ "Crank Shaft" 70th Anniversary 価格:¥60,000(税込¥66,000)
PURE GLASS FIBER DESIGN
全長:6'6" ライン:6-20lb.
ルアーウェイト:3/16 - 5/8oz.
アクション:MS(ミディアムスロー)
【仕様】
使用材料別名称:グラスロッド
使用材料:カーボン繊維6%(シリーズとしてのデザイン上、ブランクスロゴ部分にのみ使用)、グラス繊維94%
全長:1.98m
標準自重:137g
継数::1
仕舞寸法:198cm
適合ルアーウエイト: 5- 18g
1988年、フェンウィックでは初代クランクシャフトシリーズが発表されました。 クランクシャフトは当時としてはまだ珍しい、
巻き物専用ロッドとして設計されました。 最先端とされていたグラファイトやボロンロッドの強い復元力は、クランクベイト等には不向きであると判明しつつある時代。
そんな中誕生したのが、
グラスブランクをグラファイトで覆う、いわゆるコンポジット構造の先駆けとなったのが初代クランクシャフトです。
そして今回、今一度現代の巻き物ロッドに必要な要素を考察。
喰い込み・バラしにくさ・フッキング、考えるべき要素が多岐にわたる中、最重要なのは
"キャスト性能"であると位置付け、開発はスタート。
テストを繰り返す中、思い描く理想のポイントにルアーを送りこむために最適な素材として、
グラスファイバーのみで作製することを選択しました。 完全新設計となったテーパーデザインは、ティップからベリー、バットまで、しなやかに曲がりこみながらもグラスロッドとは思えないシャープな復元力を実現。
これによりどんな方向、あらゆる距離感でもアングラーが思い描く理想のキャストを可能としました。
圧倒的なキャストコントロール性能、フッキング、魚への追従性は、
"優れた巻き物ロッドとは何なのか?"という問いに答えます。
このロッドを手にした瞬間、あなたのファストムービングゲームが完成するでしょう。
フェンウィックでは伝統的に、
「ソフトティップ」「ハードバット」を採用した巻き物ロッドが基本であり、現在ラインナップされているACESとLINKSにラインナップされている
ファストムービングシリーズも同様のコンセプトが基本となっています。 また、初代クランクシャフトはグラスコンポジットの先駆けとしてフェンウィックでラインナップされたのですが、
現在のファストムービングシリーズも同様にグラスティップにベリーからバットにかけてカーボンを組み合わせた仕様となっています。※これはこれでメリットがあるのですが、長くなるのでここでは割愛しましょう。
この伝統の「ソフトティップ」「ハードバット」から脱却し、グラスのみで作られたのがこのACES-CS66CMLJ "Crank Shaft" です。 この意味は、
徹底したキャスト精度の向上にあります。
現在、日本のバスはアングラーのミスを許さない、私はそう感じます。
ルアーを見慣れた日本のバス、もはやルアーを小さくすれば食うといった考え方すら過去のものとなりました。
総合力が問われる時代となり、あらゆるルアーに精通し、適材適所でそれらを選択する時代になりました。
それでは巻き物ロッドに求められるものは一体何なのか・・・?
それはバスフィッシングの基礎とも言える、
「ルアーを正確に落とす」ということだと日本フェンウィック開発チームは考えました。
この重要性はむしろ増してきているといってよいでしょう。
ルアーを思い通りの場所に落とすことができれば、結果としてバスがバイトする。 「まずバスに口を使わせる」、こればライトリグでよく使われる言葉ではありますが、巻き物でも同様のことがいえるでしょう。 グラスという粘り強い素材を単一素材で仕上げる意味。
これは「バイトを深くする」「ばらしにくくする」といったメリットが強調されますが、ここで注目したいのは
グラスロッドが持つ「キャストコントロール性能」です。
「バイトを深くする」「ばらしにくくする」というのは、グラス特有の粘りのあるブランクスによる部分があるのですがこれは同時に、キャスト時にルアーを乗せやすいという事でもあります。
曲がったロッドからルアーが放たれる加速が緩やかで、アングラーがコントロールしやすいという側面も同時に持つことになります。 コンポジットでロッド作るとグラスとカーボン、その部分から素材が変わるため、どうしてもキャストにスムーズさが失われます。 もちろん繊細に素材をコントロールすれば可能ですが、それならば統一弾性・素材で作るほうが素直でしょう。
単一グラスロッドは、いわば車でいうところのNA、自然吸気エンジンと考えるとわかりやすいでしょう。
どんな状況下でも繊細なアクセルワークで車を自在にコントロールできる車、それがグラスロッド。
グラスコンポジットロッドは車でいうとターボエンジンを搭載した車。
同排気量のモデルで比較すると、NAよりターボ車の方がより高い出力を得ることができますが、ターボが効き始める前と後では、エンジンの出力特性が大きく変化、ドライバビリティに違和感を持つ人が多い。 それがグラスコンポジットロッドだと考えてください。※細かいことは抜きにして
「どんな状況下でも繊細なアクセルワークで車を自在にコントロールできる」、現在日本のフィールドではこれを見直すべきだと開発チームは考えたのです。
例えば、5m先のアシに撃ち込んだ後、15m先の倒木にルアーを撃ち込む。
アングラーが入力するパワーが30%の状態と80%の状態、この力の振り幅があったとしてもアングラーが違和感を感じず、腕の延長線として思いのままにルアーを届けることができるロッド。 これこそが ACES-CS66CMLJ "Crank Shaft" なのです。
無論これはテーパーの作り方による部分で変わってきます。
過去販売していたFVRクランクシャフトやエリートクランクシャフトは、グラスのみで作られていましたが、ほぼハードバットモデルです。
ACES-CS66CMLJ "Crank Shaft" は、ベリーからバットにかけてのテーパーに特にこだわりました。
グリップエンドまで柔軟に、それでいて力強く曲がりこみ金属の棒のような部分を残さないこと。 6フィート6インチの長さを余すことなく存分に生かすテーパーデザインを練り上げました。
それにより、ルアーを完璧にコントロールできるだけでなく、ロッドのスムーズさがグラスロッドとは思えない驚くべき飛距離を叩き出すロッドに仕上がっています。
キャスティング時、グラスロッドならではのルアーが緩やかに加速している感覚を備えながら、ティップまできれいにテーパーを作ることで、ルアーに最後の加速を与えているのです。 加えて圧倒的バラしにくさも、このテーパーデザインの副産物として生まれています。
このロッドに関しては、
ガイドセッティングが他のフェンウィックロッドとは異なります。 そもそも巻き物ロッドとワーム系ロッドで理想のガイド位置関係は異なるのですが、加えてカーボン素材とグラス素材ではその素材特性が異なるため、ガイドの個数と位置関係は劇的に変化します。
チタンSiCガイドを採用し、数と位置を何度も修正することで、このロッドに必要な個数と位置関係を割り出しました。
ブランクスの硬さの割には軽めのルアーウエイトでも乗せやすく、放たれた後はロッドがブレない、巻いていても一連の流れがスムーズなロッドです。
「ストレスのないロッド」こそ良いロッドであるという信念のもと、徹底的にテストが繰り返されました。
ロッド重量は137g。
決して軽いロッドではありません。
実は巻き物ロッドでは、重量はさほど意味を持たないというのが現在の開発チームの考えです。
重量をどうとらえるか?
巻き物ロッドで重要なのは「一日振っても疲れないこと」にあるという思想です。
疲労はキャスト精度のブレにつながり、集中力の乱れにつながります。
また最悪、手首を痛めることにも繋がる要素です。
一日何千回もキャストするのは、極めて身体に負担が掛かる行為なのです。
バットまでスムーズなテーパーを持つACES-CS66CMLJ "Crank Shaft" は、
力まなくともルアーがしっかり押し出されていくロッドです。 バットからしっかりとパワーを伝え、曲がり込むこのロッドは、負担が少なく疲労感が少ない。
むしろブランクスの繊維1本1本が仕事をするために137gという重量は存在する、そう考えてください。 巻き物ロッドは、軽ければ疲れないというわけではないのです。 ただテーパーが決まっても最後まで悩んだのは、「全体の硬さ」でした。
これだけはアングラーの筋量や使用ルアーで大きく変わってくるためです。
最終的に、使用ルアーは9g程度のクランクベイトから14gのバズベイトまで、太軸シングルフックを使用しても貫くことができる、現在日本で使用されるファストムービングルアーの【ど真ん中】を、一通り網羅できる仕様となりました。 コントロール性能に焦点を当てた
【完璧なグラスロッド】。
最高のロッドは一振りで、そのポテンシャルを雄弁に語りかける。
ぜひ体感してみてください。
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