おはようございます、こんにちは、こんばんは。
さて今回は、三寒四温真っただ中で、春だよねー!という季節からのシーズンインに向けて、釣りのスタイルに関するカナモリタカシのあるある(?)ともいえる質問にお答えします!
【質問】粘りストと呼ばれている金森さんですが、改めて粘ることのメリットデメリットはなんですか? また、いつからそのスタイルになったんでしょうか?釣り人にはその釣り人だけの魚がいます。その多様性がバス釣りの面白さではないでしょうか。そもそも『粘りスト』とは、付き合いの長いとある記者さんにつけてもらったので、自分が粘りストであるという認識のもとに釣りをしていた訳ではないという事実はあります。
まぁ評価とかニックネームとか自分で付けるもんでもないですからね(笑)。
僕にとっては普通のことだと。
もちろん自分的には戦略を持って粘ってはいますが、これには背景があります。
環境が人を育てるという言葉もありますが、まさにそうで、僕の場合も環境です。一方盟友でもあり好敵手でもある川村光大郎。
僕とは真逆で、その昔コータローさんが『カスミのプリンス』と呼ばれていたころ、『瀬戸内ギャンスタァ』ですからね(笑)。
これもまた編集者さんに着けてもらったのでなんともですが(笑)、コータローさんはどう思ってたんでしょうか?
もちろんニックネームだけじゃなくてスタイルもそうで、
高精度のラン&ガン。その逆で粘り倒すので『粘りスト』。お互いもうここまで逆だと面白いねという話もしてますが、やはりその大元には性格がありますね。
粗忽者のように落ち着きがなくて、ガンガン投げてガンガン巻きたいという人がいれば、逆にひとところでチクチクやるのが好きな人もいます。
粗忽者がなにか分かる人がいるのか?というのは抜きにして(笑)、まぁスタイルには性格が反映されやすい。
そして環境。
霞ケ浦という日本を代表する広大なフィールド、あの水域でオカッパリという環境があって、さらに誰よりも多く釣りたいという性格であれば、あの精密なラン&ガンとなるのも納得です。「んが! もうとにかくバスが釣りたい!」ですね。
一方瀬戸内ギャングスタァ(笑)は、
霞ケ浦に比べたらそりゃもう小さいため池で釣りを覚えて育ちました。その程度の規模の池だと、刻々と変化する状況を追うよりも、その池で良く釣れる場所、スポットというのが存在します。あの池で釣れるのはあの角だよねとか、あのオーバーハングだよねとか。
スケールが小さい分、仕留めやすいスポットは限られています。
探さないと変化を捉えられないフィールドと、ある程度狙いを絞って決め撃ちできるフィールドと、この環境は全く違います。
ため池はある程度時合いを待つ、魚の数も居場所も決まっているのでヘンに動き回るよりは、ベストなスポットで、べストなタイミングを捉えることが釣果に繋がります。つまり
待ちの釣りですね。
逆にカスミのような広大なフィールドでは、いくら待っても魚が回ってこないことは多々あって、風が吹いた、曇ったというような状況変化に応じてこちらから積極的に動いていかないと捉えられません。だからラン&ガンになります。この部分でお互いのバックグラウンド(環境)と性格が相まって両極端になっているのかなと。
では、粘ることの良さはどこにあるか。
まずはここ何年かで言語化していますが
『偏りを捉えられる』。これが最大の特徴でしょう。
季節、状況、環境など、どこかに偏りがでます。
流行に乗るなんてのもそうですが、
魚もこの環境下、いまここでこのエサを食べられる!と偏ります。あるいはオカッパリという時点で魚とフィフティ・フィフティにはならない。
立ち位置が数カ所しかないのであれば、そこを何度も何度も出入りするよりも一カ所で粘ったほうが効率が良いよねと。それにはもちろんその立ち位置のうちのどこがベストかを見抜ける力というのも必要にはなりますが。ヘンなことをいうと、僕は才能型で、コータローさんはセンス型です。
もちろん個人的な主観ですが、センスは分かりやすく見えやすいところ、表に見える特徴で、才能は内面のモノ。
努力や工夫、思考なんかは才能でしょうか。
センスがない分、才能を頼りにしている。
速くて丁寧、精度なんてのはセンスそのものです。
でも僕はセンスがないから、努力したり考えを巡らせたりする。
これはもうそもそも自分にはないコンプレックスでもありました。
センスがないから考察する、これを伸ばすというか、才能にフォーカスしていこうと思って実践してきました。考察して偏りを見つけた時の爆発力は、センスにも勝るという経験も何度もしてきました。周りは釣れてないのに自分だけボコスカ釣る、釣れる。
その経験を考えると、この現象こそが偏りだなと。
自分の使ってるルアーやアクション、スポットにフィールド中の魚が一極化している。
その偏りを捉えるには、数投、数分じゃできません。フィールドの規模にもよりますが、小さくても1時間、大きければ半日、自分の観察力洞察力をフル活用して偏りの有無とその種類を判断する。それが合致すれば大爆発。
8時間中、7時間がダメでも1時間で釣れない時間をまくれるほどの釣果を出せます。
これが粘りストのメリットでもあり、表裏一体のデメリットでもある。
爆発力はありますが、安定性がない。1日であればゼロの場合もある。
ただ、取材などは2日間あったりするので、次の日には大爆発したりします。
でも長年取材や勝負事などを通じて分かったことは、このスタイルは霞ケ浦にはからきし相性が悪い。やはり川村光大郎を生んだフィールドです。
偏りが生まれにくい。僕がカスミで爆発しているのは、すべて極端な状況変化に陥っている時、あるいは春です。
春と言っても当然ネストではありませんが、
魚がシャローに偏って変化も振り幅の小さくなる。となると僕とは相性が良くなります。逆に変化が目まぐるしい秋は相性が悪いですね。つまり偏りが薄いシーズン、フィールドではくっそ弱い(笑)。
自分で自分を長年にわたって観察してきた結論です。
現状では環境はある程度自分で自由に選ぶことはできます。
それにセンス、つまり昨今流行しているテクニックを気にしたり研究したり磨いたりは常にしていますが、根底にあるカナモリタカシの粘りのスタイルを捨ててまで移行しようとは思っていません。最強があるとすれば、時にカナモリタカシ、時に川村光大郎になれる釣り人でしょうか。
でも誰かになるって実は大変なので、自分は自分のスタイルを見つけて、そこを伸ばしていけばいいのではないでしょうか?
ちなみに僕は川村光大郎にはなれませんでした(笑)。
と言うわけで、keep it 現場!!
また来週!
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