さて、今回はロッドの話。
現在
フェンウィックのフラッグシップはエイシスとなります。
フェンウィックエイシスシリーズ
https://www.tiemco.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=0100&bid=lurefishing&cat=002001001 その下の価格帯に
リンクスが存在します。
リンクスは、どちらかと言えば価格重視。
マテリアルやガイドのクオリティを抑えることでこの価格を実現しています。
ACES 逆にエイシスはマテリアルやガイドなどを良いもの、そして高額な高弾性カーボンを使用しています。
それがそのまま価格差になっているわけです。
この両者、同スペックのロッドがいくつか存在するのですが、
それを振り比べていただくと一目瞭然。 全くフィーリングが異なるロッドに仕上がっています。
例えば、
ACES68CMJとLINKS68CMJ、ACES65CHJとLINKS65CHJなどです。 簡単に言うとエイシスは
「より軽く・パワフルに」仕上がっています。
今回はその中でも近年人気ロッドである、
ACES-SF60SULJ "Ultra Finesse Special"
LINKS-SF60SULJ "Ultra Finesse Special"
この二つに関して掘り下げてみたいと思います。
ACES-SF60SULJ "Ultra Finesse Special" HI-SENSITIVITY NANO MATRIX DESIGN 全長 6'0"(185cm)パワー ウルトラライト標準自重 82gルアーウェイト 0.3-2.7gライン 1-5lbアクション F継数 1PC
近年一般化した、
極細PEラインでルアーを意のままに操る使命をもって誕生したスペック。
伸びのないPEラインを自在にコントロールしルアーを操るためには、ロッドに対し全く別の思想が必要であると考えました。
そのためまず重要となったのはティップ部分の新構想でした。
PEラインを使用し、モノフィラメントラインと同等のルアーアクションを行うには、最適化されたソリッドティップ部分の設計が必要不可欠。 ACES-SF60SULJのために特別に作られたソリッドティップは、伸びのないPEライン使用時に起こるルアーに対しての不自然な動きを完全に排除。
これにより、ルアーをより繊細に操作しバイトを引き出すことが可能になっています。
あくまでもルアーのコントロール性能を重視するため、ロッド自体は一切の無駄をすべて削ぎ落し軽量・軽快さにこだわりました。
このロッドの存在理由ともなった極細PEラインでの操作性は、まさに異次元。 マイクロホバスト等の各種マイクロベイトパターンや超ライトネコリグ、1g以下の超軽量ノーシンカーなど、かつてモノフィラメントラインには不可能だった領域をカバーすることが可能になりました。
カタログスペック的にはこんな感じ。
皆様が知りたいのはその先の話だと思います。
マイクロベイトパターンにはこのロッド ★個人的感想★
ACESは30tと40tカーボンを使用しているのですが、LINKSは24tと30tを使用しています。
ただし、先端のソリッドティップ部分は同じ30tソリッドティップを使用しています。
ACESは全体重量82g、LINKSは93g。
なんと10g以上軽い。
このロッドは操作性重視のロッドです。
そのため
ロッドが軽ければ軽いほど操作性は上がります。 とは言え、それだけではありません。
単純に軽いロッドを作ろうとすればもっと軽いロッドができるからです。
工場の技術的なこともあるのですが、現在ナノアロイ等を使用して高弾性ロッドを作れば
「軽くて折れないロッド」を作ることが可能だからです。
昔はもし完成しても脆いロッドだったわけです。
しかも、ソリッドティップ化すると重量増になるので、軽くしたければチューブラーロッドで仕上げていくのが良い。
しかしこれは数値上の話です。
実際ロッドをフィールドで振ってみると、最も重要なのは
「テクニックに応じたバランス設計」だということがわかります。
例えばACES53SLJは76gです。
重量神話があるならば、こちらのほうが上ということになりますし、もっと短く作った方がロッドとして優秀ということになりますが、実際そんなことはありません。
ACES-SF60SULJ "Ultra Finesse Special"は、
0.2~0.4号のPEを使用するために作られています。 PEをメインで使用するためのロッドはかなり少ないのではないでしょうか?
PEは伸びが無いため、ロッドに求められる要素が従来のモノフィラメントライン系のロッドとは異なります。
同じようにアクションすると、ルアーのしなやかな動きが無くなり違和感が生じてしまうのです。
特にホバストなどのルアーを浮かせて釣るスタイルときは顕著で、アングラー側のシェイクが少しでも乱れるとルアーの挙動が大きく乱れてしまいバスが警戒するのです。
これは風の影響でも起こります。
これを無くすためにフロロを使用する方法もあるのですが、ルアー自体が超軽量になるとそうもいかない。
ゆえにロッドに頼る、
さらにPE専用に設計されたソリッドティップに頼るしかないというのがフェンウィック開発陣の考えでした。
従来、ソリッドティップはボトムをなめるように引く、バスのバイト違和感を無くすというために作られてきたのですが、近年のフェンウィックロッドは
「ルアーの動きの違和感を無くす」ために作られているのです。
それが結果的に
バイトを生む≒より釣れるロッドという思想です。
これはロッドの長さにもあります。
操作性重視をうたうならばショートロッドというのは誰しも考えることですが、これは実際使うフィールドや使うルアーによってバランス設計が変わってきます。
今回6フィートジャストという長さを選択をしたのは、
重さ・風の影響・シェイク振り感を出すベストな長さと決定したためです。
加えて、この長さからくる
「テコの原理」により、より繊細さが生まれるためです。
第3種てこと呼ばれる原理で、箸やピンセットの繊細さと似ています。
これは長ければ長いほど先端付近の繊細さが生まれることに繋がるのですが、これも重量増・風の影響等が複雑に絡むので簡単な問題ではありません。
「短すぎない6フィートジャスト」にはフェンウィック開発陣の意図があると考えていただければと思います。
現在フェンウィックが考える極細PEの最適解がACES-SF60SULJ "Ultra Finesse Special"であると考えて良いと思います。
霞ケ浦おかっぱりにて では、LINKS-SF60SULJ "Ultra Finesse Special"はどうなのでしょうか??
ACESのほうがすべてにおいて良いかと言われるとそうでもなく、重量が軽ければ軽いほど基本的にはスカスカのロッドになるため、魚が掛かった後に全く浮いてこないブランクスになってしまいます。
もちろんテーパーの作り方にもよりますが、ティップ付近の操作感を重視するために、バットにさらに軽さと硬さを持たせるともっと魚が暴れやすくなってしまいます。
スピニングの場合、魚の力をリールのドラグに逃がすことができるため、それでもなんとかなったりするのですが、ドラグはあくまで
「魚の力を逃がす」だけです。
本来ロッドに求められる機能である「魚の力を逆に利用し、浮かせてくる」ような機能はありません。
その点、LINKSはブランクス全体がしなやかなので、圧倒的に魚への追従性が生まれます。
ルアーの飛距離もACESよりも優秀です。
この辺りは好みの問題もあるのですが、極細PEを使うような状況下では、極限の状況下であることが多いです。
総合力はLINKSなのですが、戦闘力自体はACESのほうが上という感じではないでしょうか? ★オススメタックル★ ロッド: フェンウィック ACES-SF60SULJ "Ultra Finesse Special"
リール: 23 AIRITY ST LT2500S-XH-QD
ライン: エックスブレイド リアルデシテックス0.4号+LDLフロロ1号
ルアー:クリーピーミノー+V2ヤマメ10号+ヨーズリガン玉6号
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