大津清彰 バス釣り真相解明 2026/2/18 構想から丸4年。ABSでもワームでもない『軟質発泡ハネモノ』。

ソフトシェルトンボ1

【開発動機】

秘密が多く公表を控えていましたが・・・実は新コンセプトのハネモノを秘密裏にテスト、形にしてきました。

このソフトシェルトンボ、そもそもスタートが

「昔販売していたトリックトラウト トンボは今でもよく使うのだけれど、これをベイトで投げられるようにしたらいいんじゃないか?」

というアイデアからスタートしています。

アイデアをいただいたのは釣り業界の方ではなく、とある業界の凄い人とだけ言っておきましょう(笑)

ソフトシェルトンボ
https://www.tiemco.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=3011012&bid=lurefishing&cat=002001003005&srsltid=AfmBOorQcQpgRlpJ-pU2HZE28qkOkT6cGhKqdr3oHkTHeadr1_2jOnHv

その方はもちろん釣り好き。

トップウォーターを愛する方で、メインはそういった釣り。

ただ、基本的に釣果を求めるスタイルで釣りをしている方です。

そういった中で、もともとよく釣れていたトリックトラウト トンボをもっと扱いやすいウエイトにしたらもっと釣れるのでは?という考えのもとスタートしました。

重量部分に関しては、私も思う部分がありました。

日本のハネモノというカテゴリーは独自進化し、そのノウハウはすでに世界でもトップレベルに到達しています。

疑いようがなく、日本のハネモノはデッドスローやファストリトリーブといったあらゆるハネモノカテゴリーで頂点であると私は考えています。

ただし、一点不満な点もありました。

それが、「重量」です。

日本のハネモノ市場には、決定的な「空白」がありました。

日本のハネモノ分布は、

●小型(虫系): スピニング限定

●大型(デカハネ): ヘビータックルが必要

この2タイプが極端に多い傾向がありがありました。

これについては様々な理由が存在しますが、いわゆる日本人がよく使用するクランクベイト等で想像する「快適な巻き物の重量感」を持ったハネモノが極端に少なかったのは事実です。

ハネモノは巻き物の一種です。

となれば、クランクベイトを快適に使用するようなスペックのロッドにあわせた重量感は、ロッド一本でルアーの使用範囲を広げられるという意味で必要不可欠な要素だと考えました。

そんな中でハードルアーを使用する際、最も快適と考えられる重量のひとつである3/8oz.(約10.5g)程度 を視野にいれ開発を進めることが決定されました。

そして独特なトンボ形状。

実はこれには結果的に釣れる深い理由が存在します。

これに関しては後程・・・。

さらにトンボ形状であること以外にその方からは条件がありました。

これが長い開発期間が必要になってしまった部分なのですが、その部分が「軟質発泡ソフトボディ」を採用することでした。

ソフトシェルトンボでの50アップ

【素材論】

ではまずこの「軟質発泡ソフトボディ」の秘密について紐解いていきましょう。

ティムコでは昔からソフトシェルシケイダーやソフトシェルシケイダーヘアーウィング、カバーバグといった軟質発泡ソフトボディのルアーに取り組んできました。

この手のルアーは他社にも存在しましたが、最大の特徴は「音」です。

軟質発泡ソフトボディを使用すると、着水時の音を極限まで抑える事が可能となります。

たとえミスキャストしてもボディ全体が音を吸収し、極めてナチュラルな着水音を演出する事ができるのです。

この効果は絶大で、ソフトシェルシケイダーが長年高評価を得ている点にも繋がります。

そして、軟質発泡ソフトボディは自らの発する音も吸収する事も可能です。

ハードルアーは中空構造なので、もともと音を増幅させる効果があるのですが、軟質発泡ソフトボディは真逆。

内部ウエイトの音やフックの擦れ音といった「不自然な」音を排除する事が可能となります。

さらにもうひとつ他を凌駕する性能がこの素材には存在します。

それはある程度ボディが柔らかさを持っているにもかかわらず、形状を極めて安定させることができるという点です。

★素材ごとの特性比較★

●ABS素材: 構造は複雑にできるが、着水音が大きく、生命感(硬さ)に欠ける。

●ワーム素材: 柔らかいが、フック構造や羽の維持が困難。

●ソフトシェルトンボ: 両者のいいとこ取り。「静かな着水音」と「緻密な構造」の共存。

つまり、この軟質発泡ソフトボディは、ワームとハードルアーの中間的存在であり、それぞれのメリットを併せ持つ存在であると言えるのです。

ソフトシェルトンボ2

【構造詳細】

ソフトシェルトンボは、ボディの形状をトンボ型にしているため、前後に細長い形状となっています。

特徴のひとつは、ボディ後端にフックが取り付けられていない点にあります。

この構造のメリットは、障害物に対して根掛かりを避けることができる点です。

キャスト時に良く引っかかるのは後方フックですが、その位置をやや前側に配置することで、昨今のシビアなバスに対しても障害物に対し正確なアプローチが可能となります。

さらに、軟質発泡ソフトボディにすることで、形状を細く仕上げても破損の心配がなくなります。

これはABS素材にはない大きなアドバンテージです。

フックはトレブルフックとダブルフックを二本配置。後方のダブルフックは、細身のボディで発生しがちな「背中にフックが乗ってしまう」トラブルを解消するために採用しました。

ダブルフックはあえて「下向き」に装着しているのが特徴です。

テストの結果、フロントフックとの絡みが少なく、最もフッキングが良かったのがこのセッティングでした。

ちなみにこのダブルフックを外し、ブレードを取り付けるチューンもオススメですので是非試してみてください。

将監川にてソフトシェルトンボ

【ハネモノの心臓部】

羽の形状に関しては、最先端の技術を取り入れ、従来のシケイダーシリーズとは大きく異なる形状をしています。

復帰性能: ひっくり返りからの素早い復帰

デッドスロー: 細かな震えと柔らかな波紋

ファストリトリーブ: バズベイトのような水飛沫

この3要素は外すことができない部分で、これらを実現するために何度も形状変更を行い、現在の形に練り上げました。

素材に関しても、従来の硬めのエラストマー系からPP(ポリプロピレン)に変更しました。

PPはある程度柔軟性がありつつもクセが付きにくく、トンボの羽らしい透明感も出すことができる素材です。

何度もテストを重ね、破損や変形のトラブルもなく、納得する動きが出せたときは正直ほっとしました。

挫折しそうになるレベルでした。

ソフトシェルトンボ3

【構想から4年】

完成までになんと丸4年。

納得できる軟質発泡ソフトボディを作ることができる工場を探すことに多くの時間が掛かったこと、羽形状、強度テスト……。

ミノーやクランクといった「正解」があるルアーとは違い、新素材・新形状のルアーにはいつも途方もない時間が必要になります。

発泡素材は発泡度合いをコントロールするのは非常に難しい素材ですが、今回は不良品は採用せず厳選された良品ボディのみを採用し、製品としてくみ上げています。

【最後に】

ソフトシェルトンボの使い方は極めてシンプルです。

「投げて巻くだけ」。

いつも使っているMLクラスのロッドでキャストしてみてください。

デカハネ系のような強烈なパワーや、小型ハネモノのような数釣り性能とはまた違う、「MLタックルで正確にコントロールできる快適さ」が、アングラーの釣果を間違いなくサポートします。

デカハネではプレッシャーがかかりすぎる、かといってフィネスではアピールが足りない……。

そんな『正確さの必要な中距離・ハイプレッシャー』の状況こそ、ソフトシェルトンボの効果を発揮する状況になるでしょう。

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