田辺哲男VOICE 2021/10/02 釣れるトップの本質

2021/10/2
今週はなんやかんやと忙しく、しかも台風がかすめていくということもあって湖上でのテストはお休みしました。

なので、よく聞かれる質問。ここ数年自分が開発しているトップウォーター系の使い分けについて。

まずひとつ認識してもらいたいのは、フカベイトにしても、タフバグにしても、そしてヒラトップにしても、ゆっくりと動いて、しかもエサを追い詰める場所『水面』にあるトップはバスのスイッチを入れやすい、食いたい、食える! と思わせられるルアーだということ。

なら、虫でもi字でもいいのでは? と思うかもしれないけれど、そうしたフィネス的側面のあるルアーとの大きな違いは、魚が気付いて寄ってこさせられるかどうか。

虫やi字というのは、見えバスへの対応だったり、完全にベイトフィッシュを捕食している状況でなければバスに気付かせにくい。そしていまやアングラーの増加と情報拡散の早さによって、あまりにもみんなが投げるから、そうしたルアーすらも見切る個体が増えているのではないかと感じる。

魚がいるかどうかもわからない場所で、枝に吊るしたり、浮かせて待っているという消極的な釣りというのは、たとえばアメリカであれば、まず、ない。

ところが、日本のレイクは魚が多いがゆえに、どこかで辻褄があってしまう。

でも、そういった釣りが台頭してもう10年以上も経っているわけですよ。さすがにもうバスに学習されて、浮いてきても見切られてしまうケースが増えてきてもおかしくない。

そのなかにあって、やっぱり動いているものというのは見切りづらいし、しかも水面という壁が使える。追いが悪くなったといっても、ゆっくりだから食えると思わせられる。



そして何より、スイッチを入れられる動き。

それはルアー自体が持つアクションしかり、トウィッチしたときの波紋だったり、ペラやブレードの回転波動に伴う水中波動だったり…動いていても、いや動いているからこそスイッチが入れられる。

タフバグやヒラトップに関してはもちろん、ステイを入れても食わせることができるルアーだけれど、それはただ止めておいて、というものではない。

最近よく思うのは、自分で言うのもなんだけれど『ビハドウ』は名作だな、と。


これも、“常に動かし続けるルアー”なんだよね。

俺自身はそれを作った当時に、本質的な部分を理解していたわけじゃない。フカベイトからの流れでぐるりとまわって、なるほど、だから釣れるのかと。

ビハドウも、フカベイトも、タフバグも、ヒラトップも、個性はまるで違う。でも、本質は同じ。

じゃあその日、その場で、どの個性が有効なのか・・・。

先日のGo for it!ロケで、ヒラトップで25センチくらいのバスを手にしている。自分の体長とそれほど変わらないサイズのルアーに、小さなバスがアタックしてくる事実。なぜその動きに、そんなバスさえも反応し、口を使うのか、俺には理解できない。でも、ひとつたしかなのは、スイッチを入れてしまったからなんだよね。

何を伝えたいのかといえば、「こんな状況でこんな場面なら、このルアーが効きますよ」なんて俺にもわからない、ということ。それはもう、スピナーベイトとクランクベイトの使い分けと同じで、根がかりの度合いうんぬんで変えることはあっても、「いまここではスピナーベイトだ」、「クランクベイトしかない」、なんて無責任に断定することはできません。

とかくアングラーはマニュアルを求めがちだけど、答えは、バスに聞いてみるしかないのです。

今週はこのへんで。

来週もよろしく!
 

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