10FTU Friends・NABEchan's★SE9RET ~MAR. the 4th Week~


ルアマガモバイルをご覧のみなさん、こんにちは!

10FTUプロスタッフの渡辺です!

暖かい日が続き、季節はすっかり春って感じがしてきましたね!

水の中も着実に季節が進行していますよ。
各地でスポーニングの動きが見られるようになってきました。

もうすでに、第一陣のモンスターたちの中には1回目の産卵を終えた個体もいるみたいですね!

さて、
僕の方はというと、3月7日に印旛沼水系で春のモンスターを捕獲してきました!

48センチ・2190グラムの印旛沼MAXクオリティ!!!!!


ルアーは、コンパクトラバージグにチビロッターのコンビでした。

ラバージグは最も好きなルアーのひとつ。
そして厳しい印旛沼水系でアンダー50センチの2キロオーバーは最高に痺れました!

さて、今回はそんなジグ大好きな僕が「春のラバージグ」をテーマにお届けしようと思います!

春のビッグフィッシュ狙いで必ず出てくるのがジグですが、最近では使っている人が減っているような気がします。僕の周りではバブゥシリーズのZONEが大ブレイクしていますが、こっちのZONEも案外捨てがたいものなんですよ…。

まずはラバージグを使う前に、春のバスの動きについておさらいしましょう。

春といえば、一大イベントであるスポーニングのシーズン。

1年の中で最もバスにウエイトが乗る時期なので、モンスターを狙うなら絶対に外すことができない大事なタイミングです。

体力のある大きい個体はいち早く動き出し、産卵に向けてエサを食べ始めます。

産卵を控えたメスは、産卵をするエリア(いわゆるスポーニングエリア)の付近の少し深いエリアを回遊しながら、安全に食べられそうなエサを効率よく摂取しています。

頭の良い個体ほど、お腹の卵を守るためにリスキーな捕食はせず、少ない回数で豊富なエネルギーを摂取しようとする傾向にあります。

そんなときにこそうってつけの、典型的なベイトにザリガニがいます。

ザリガニはベイトフィッシュのように足が速いわけではなく、また、豊富な栄養素を蓄えています。ザリガニもバスと同じく大きい個体から冬眠を終えて水辺にやってくるため、春先のザリガニはアベレージサイズが大きい傾向にあります。バスからしたら捕まえやすく、一回の食事でお腹いっぱいにもなるので、ご馳走として恰好のエサなのです。

そんなボリューミーでスローなザリガニを演出できるルアーといえば…?

そう、ラバージグです!

テキサスリグやフリーリグではだめなの?…と思う方もいるかと思います。

確かに同じように使用することができますが、ラバージグならではの強みがいくつかあります。

上がラバージグ+パドロッタートレーラー、下がパドロッターのテキサスリグ。ザリガニを模するのであれば、スカートのついているラバージグの方が、よりソレっぽくなります。

ラバージグにはその名の通り、ラバースカート、またはシリコンスカートがもっさりと装着されています。

同じウエイトのテキサスリグと比べたとき、スカートがあることで圧倒的なフォールスピードの遅さを生み出すのです。

お腹の大きいバスは素早い動きに追いつけない場合が多く、バスが追い付く時間を稼ぐこともできます。

更に、このスカートは人間が思っている以上に大きな水押しを発揮するため、より遠くからでもバスに気付いてもらうことができます。

もっと言うと、ラバージグの方がワーム単体のリグよりも吸い込みやすいというメリットもあります。

例えば。
掃除機で同じ重さのゴルフボールとバスタオルを吸い込もうとしたとき、より少ない力で吸い込むことができるのはバスタオルです。
これは重さが1点に集中しておらず、吸い込む面積が広いことが理由です。

このように、ラバージグは、春のバスのコンディションに非常にマッチしたルアーだということができます。

では、
ラバージグの良さが分かったところで、具体的な使い方を見ていきましょう。

基本的には「回遊待ち」の釣りです。

先に説明したような、スポーニングエリアの一段下にジグを置いて、回遊してくるメスに見つけてもらうイメージです。

スポーニングエリアになるような場所は基本的にゴツゴツとしたゴロタがあるようなハードボトムが多いので、そのボトムのストラクチャーにジグをわざとスタックさせ、ゆっくりと動かしながらバスを呼びます。

ラインを若干弛ませながら「ポワンポワン」とジグを揺する

ある程度揺すったら、スタックしているジグをパンッと外す

ボトム着底後、しっかりとステイを入れ、ズルズル引いてくる

次のストラクチャーでスタックしたら、再び揺するアクションを行なう

といった一連のアクションの流れを組みます。
基本はこの繰り返しです。

特にオダや沈みモノは要チェック。
できるだけ長い時間引っ掛けて誘いましょう。

あくまでもフラフラ~っと回ってきたバスの方に見つけてもらうイメージです。
決してシェイクのような細かい動きやバシバシとしたリアクション気味な動きにならないようにしましょう。

また、着底後のステイは長めに入れるのがポイント。
スタックから外したアクションでルアーを見つけたバスが寄ってきて食べることもよくあるので、そのイメージを膨らませて慎重に!

トレーラーワームに関してですが、
高比重じゃない少しバルキーなものがオススメ!

高比重ワームをトレーラーとしてセットすると、ラバージグがボトムにベッタリと張り付いてしまい、ロッドを揺すってもあまり動きが出なくなってしまいます。

圧倒的にオススメなのが、高浮力のパドロッター&チビロッター!

上がレギュラーサイズのパドロッター、下がダウンサイズのチビロッター。攻めるエリアの規模やラバージグのサイズ、ベイトサイズによって使い分けます。

ご存知の通り、ハンドポワード製法で作られたロッターシリーズは高い浮力を持ち合わせているため、ラバージグが着底後ゆっくりとパドルが持ち上がります。

この浮上アクションがスローなバスに非常に効きます! 実際、僕のキャッチした先程のモンスターバスは、着底後のステイ時にバイトしてきました。

着底後のステイ浮上アクションでバイトがなければ、ロッドを動かしてジグを揺すります。自立していたワームはボトム方向に砂煙を立てながら水を押し、再度持ち上がります。

パドロッターシリーズをトレーラーとして使用することで、非常にオートマチックでありながら、生命感に溢れた演出をすることができます!

というわけで、
お次はトレーラー含めた色について。

この時期におすすめのカラーは青系!
僕は「春は青」派です!

青は、ザリガニをイメージしています。

「ザリガニって赤じゃないの?」

と思われる方もいらっしゃることでしょう。

本来、ザリガニといえばあのマッカチンの赤を想像される方が多いでしょう。
しかし、この春の青はザリガニの脱皮と大きく関係しています。

冬眠から覚めたザリガニの1回目の脱皮は、あまりしっかりと餌を食べていない状態で行われます。

少々難しい話になりますが、ザリガニの赤い体色を構成しているのはアスタキサンチンという色素で、これは植物に含まれるカロチンをもとに構成されているものです。

ザリガニはイメージから肉食だと思われがちですが、れっきとした雑食動物。
小魚は当然、虫の他に水生植物も多く摂取しています。

しかし、冬の間は水生植物が枯れてしまい、思うようにエサを摂取することができないまま脱皮を迎えます。
すると、いわゆる栄養失調の状態で真皮がむき出しになることにより、個体によっては赤い色素が不十分のままの色…いわゆる青っぽい体色が現れ始めるのです。

脱皮したてのザリガニの甲殻は柔らかく、また独特の体臭を放つといわれています。
頭の良いバスほど、脱皮したての「ソフトシェル・クローフィッシュ」を選んで捕食する傾向にあるといわれています。

実際、アメリカ本土のザリガニにも赤以外の成体も数多く存在しますし、そこに加えて、この春の脱皮にまつわる青系統の話…こういった事実から、プロブルー系のカラーが春に効く、青いルアーが春に有効、という説が生まれたのではないかと僕は考えています。

今回、僕がトレーラーで使用したチビロッターのカラーは、昨年ソルトウォーターカラーとしてリリースされた「カニっち」。

パドルの青白い配色がなんともいえないアピールをもたらしてくれているのではないかと感じてしまうほどに、そそる色です。

プロブルー系のパドルを見た瞬間から「春にジグトレーラーでめちゃくちゃ使いたい!!!」と思っていましたが、案の定この春、良い仕事をしてくれました!

他にも、パドロッターにはアラバマクローやブラックブルーディップなどの青系カラーがラインナップされていますので、皆さんもぜひ意識的に青を使用してみてはいかがでしょうか!!

さてさて、カラーの次はウエイトです。

ウエイトは出来るだけ軽めをセレクトしましょう!

ただ、これは「スモラバにする」という表現とは少し違います。

スモラバはシルエットが小さく、スカートのボリュームも控えめなので、フルサイズのラバージグと比べて水押しが極端に低いのです。

更にスモラバは、細かいシェイクを想定してスカートが短めにカットされている物が多いため、ゆったりとしたアクションではスカートがしっかり動ききらない場合があります。

どちらも、攻略する上では結構なアピールロスになってしまいます。

僕のイメージとしては、
「軽いけどある程度ボリュームのあるジグ」というのが最適と考えています。

現状、フルサイズのラバージグですと、どんなに軽くても7グラム程度からのラインナップがほとんどです。そんな中、そのボリュームそのまま小さくした「コンパクトジグ」が、誕生しはじめました。

そのコンパクトジグの多くは、3.5グラム程度のライトクラスからのラインナップです。

冒頭の印旛モンスターをキャッチしたのは、O.S.Pのハンツ3.5グラムです。
まさに、スモールシルエットでありながらボリューミーなスカートを纏ったコンパクトジグ。

このコンパクトジグにハンドポワード製で高浮力なチビロッターをセットすることで、よりゆっくりとアクションさせることが可能です。アングラー側がアクションさせなくても食わせの誘いを入れることができるのです!!!

このコンパクトジグとロッターシリーズのコンビは、プリスポーナーを狙う際、本当にドンピシャな組み合わせだと思っています!!

そして、このコンパクトジグと少し似たジグがアメリカにあります。
「フィネスジグ」と呼ばれるラウンドヘッドにブラシガードのスモールシルエットジグは、アメリカではポピュラーなジグのひとつです。

フィネスジグは、ハイプレッシャーなフィールドやスモールマウスレイクにおいて多く使用されているジグ。特筆した使い方がある訳ではないのですが、あくまでも小さいラバージグという考え方で、現地のプロはフルサイズとうまく使い分けています。

ちなみにタックルはといいますと、アメリカではフルサイズジグと変わらない物がそのまま使用されることが多く、日本のスモラバ事情とは全く違う考え方でその地位を確立しています。

ここ数年、この理論が現代の日本のバスフィッシングにおいても非常に有効になってきていることに各プロの方々が気付き、日本でも「フィネスジグ」の必要性を感じるようになってきました。

昨今のハイプレッシャー化したフィールドでは、スピニングシステムにライトラインのスモラバを使っての「枝1本の吊るしスタイル」で釣れるといった時代は、終焉を迎えつつあります。

より奥に。
より強いタックルで送り込む。

これが結果として、より良い釣果を上げるための不可欠な要素です。
パワーフィネスの再燃&普及も、その一部といえますね。


つまり。
何が言いたいのかというと…


「渡辺、フィネスジグ作るってよ」


現代日本のバスフィッシングで、ありそうでなかったフィネスジグの開発に着手しはじめました!!!!

まだまだ完成には程遠く、、、
制作途中のプロトもお見せできないのが残念ですが…絶対に良いものを作り上げたいという強い想いの元、日々頭をフル回転させて開発中です!

今までのラバージグには無かった、とっても便利なコンセプトも盛り込むつもりです!

このモバイルのコラムでは、ちょこちょこ開発の経過も公開していこうと思っていますので、ぜひ皆さんご期待ください!!!!

今月も最後までご覧頂き、ありがとうございました!
良い釣りを!!

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