田辺的「カバー」の前提

2022/7/23
今週は編集部からのリクエストで「カバー」について。

ちょうどルアーマガジンの新刊が発売になって、特集がカバーということでの要望みたいなんだけど、その中でタクミが 「カバーは身を隠すストラクチャーであることはもちろん、バスにとってルアーを魅力的に魅せるお皿なんです」 と。

  表紙もその言葉をヒントに作ったみたいですよ。

まぁそんなタクミのカバー食卓論、極めて自分と近い考え方。

単純に落ちパクが最も多いのはカバーじゃん?

入れてすぐとか、ボトムに落ちたのを追いかけて食うとかね。

入れてすぐ食うときは魚が浮いてる時がほとんどなんだけど、ここで俺が注目したいのは「ボトム」。

シャローカバーはボトムが使えるんだよね。

例えば、1オンスのテキサスリグをストン!と落としたとしても水深が50センチであればバスが下を向けば食える。

これはシンカーウエイトが軽くても同じことなんだけれど、何が言いたいかと言うと、 ボトムが使えて、カバーも使えて、食わせる要素がダブルになるってことですよ。

ボトムはバスにとって追い詰めやすい要素なのだけど、これがさらにボトム×岸になるとその要素はより強まる。

  それはボトムだけに限らず、水面×岸でも良いんだけど、一番シャローサイドにあるカバーはそういう複合的要素があるからすごく好ましい。

逆に手前(沖側)にあるようなカバーは食わせにくい。

よっぽど魚が密集してて落ちパクするなら話は別だけど、ボトムを使っても水深が2、3mじゃ、どうしてもルアーを見られちゃうんだよね。

これが50センチのカバーなら、リアクション要素が高まるから食わせられる確率もギュンと上がる。

つまり、そういう場所にバスがいる状況は絶好のチャンスということ。

じゃあ、どういう時にそういう場所にバスが差すのか?

それは単純明快、 エサの存在があるということが大前提ですよ。

ザリガニが最高に嬉しいけど、エビでもなんでも、エサとなるベイトフィッシュ。

これがオープンウォーターにいるようだと食わせるのはすごく難しいけど、カバーがあれば一発勝負できる。

だから俺みたいな、フィネスとかスモラバじゃない釣りでもカバーを利用すると食わせられるということです。

逆にスモラバとかは、沖めにある枝とか深場にあるカバーの中層でも食わせられるけど、俺の場合はハードベイトで通しちゃうことが多いね。

そこにソフトベイトを入れてじっくり誘うということはよもやしません。

  よっぽど、フローティングダストがあるような場合は別だけどね。

要はそんなちょこざいなことをしなくても、シャローカバーというのは必然的に条件が整いやすいから通用する。

  それが俺の思うカバーであり、そこに対してのハードベイトやダイレクトアプローチのソフトベイトという選択をする だけの話ですよ。

俺の場合は、どうしてもルアーがバルキーだったり、強かったりするから、何かを利用しないと釣りが成立しにくい。

そういう意味で、タクミの言う 「カバーはお皿」 と言うのはかなり近い考え方になるよねっていうお話です。

ちなみにカバーの釣りで 一番重要なことは「ここなら居るだろ」と感じられること。

要するにカバーを延々と撃っていくなんていうのはナンセンスだぞと。


日本はそれでも釣れるからその意味が伝わりにくいと思うけど、タクミは痛感したはず。

  アメリカは2キロ撃っても、3キロ撃っても全然魚がいないって、下手すりゃ10キロなんてことが往々にしてあるからね。

そんな中でどうやって良いカバーを探していくかというと、 「地形」か「ベイト」 のどっちか。

その中で、ベンドやカレント、水深の変わり目、フラットの入り口とかさまざまなファクターを元に一等地、二等地が決まっていく。

日本にいるとレイクの規模が小さいから、とにかく全部撃てば釣れてしまうことがあるから、「なんでこのカバーにいるのか?」という理由を見失いやすい。

単純にシェードが欲しいなんていうのは初級の考え方だし、初級のミステイクにも成り得る。

「食う魚がいるべきエリアのカバー」 、これのみがカバーの効力を発揮する。

いくら最新魚探でカバーに魚がいることがわかっても、その魚が食わない状態にあるんじゃ俺にとっては用のないカバーだし、用のない魚。

「食う魚がどこにいるのか?」それを探していく過程の中にあるものこそ、俺にとっての『カバー』。

そうじゃないのはただの障害物、そんなもんですよ。

ぜひそのあたりを意識して、カバーのゲームを組み立てて欲しいね!

ということで、今週はこのへんで!

来週もよろしく!

過去の連載はこちら↓
田辺哲男のMY BIG GAME
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