2023/1/15
久しぶりのリアル開催となるフィッシングショー。
いよいよ、来週から横浜が始まるので今期リリースするアイテムについて、ちょっとだけ話そうかな。
今回はロッド。
ロードランナーの名を冠するグラスコンポジットが久しぶりに出ます。
昔「バキューム」という、ロードランナーのグラスロッドは存在していたんだけど、もう15年じゃすまないかな?
それくらい久しく作っていなかった。
これには訳があって、当時はカリフォルニアのグラスロッドメーカーからブランクスを仕入れていたんだけど、その会社が事業をたたんでしまったんだ。
というのも、そもそもグラスって、車のアンテナの素材とかに供給することが多かったんだけど、もう車のアンテナなんてほとんどなくなっちゃったじゃん。
アンテナやロッドみたいに、筒状になったグラスの使い道が少なくなってしまった。
そういう背景もありつつ、一方では軽量グラスっていうのが台頭してきた。
それをカーボンと合わせてコンポジットするロッドが出てきて、もちろん俺も試したよ。
ただ、当時のモノは魚がバレることが多かった。
軽くて、よく曲がるし、投げやすい。
グラス特有のしなやかさはあるのになぜか?
フックを貫通させるトルクがなかったんだよね。
それで、「竿としてこれはないよね」という判断に至り、だったら低弾性グラファイトでよくたわむほうがいいだろうということで、ハードベイトスペシャルはほぼそっちで作ってきた。
そしたら、最近タクミが「これイイ感じですよ」と見つけてきたブランクを日本でも作れることが分かったんで、とりあえずメイドインジャパンで試してみますかと開発が進んだわけ。
案の定、タクミがアメリカで使ってみたら「すごくイイ!」って力説するもんだから、俺も気になったんだけど、タクミの竿はちょっと長いんだよ。
「これじゃ亀山のオーバーハングの隙間にいれられないよね」ってことで、俺も短いのが欲しくなって作ったのが、6.6フィートのライトアクション。
使ってみてビックリしたのは、ショットをより低弾道でアプローチができたこと。
これは既存のハードベイトスペシャルと比較するためにリールを載せ替えてまでチェックしたから間違いない。
比較に使ったロッドがHB630Lなんだけど、このロッドは正直ショットを使うにはちょっと強くて投げづらいんだよ。
でも、今回の66Lのグラスも630Lと同じくらいパワーはあるのに、飛距離もキャストも決まるもんだから「これはやるわ」と、本格的に進めることになったんだ。
あとはフッキングなんだけど、日本が釣れなさ過ぎてあたふたしていたら、タクミがアメリカでブンブン投げて、「すげー掛かりますよ、大丈夫です」と(笑)。
だったらもう行こうかと。
だから、結局は66も提案はしたけど、タクミが作ったようなもんだよね(笑)。
エリートスペックと合わせて、グラスコンポジットは3本リリースするんだけど、この先どう使い分けていくかは、これからというのが正直なところ。
竿としてはすごくいい、だけど俺もどう使い分けていくかはやりながら見ていかないとわからない。
だから、ショーで実際に触ってみてどう使っていくのか、みんなも想像してもらいたいね。
グラスの良さについて敢えて語るとするならば、一番わかりやすいところでバズベイト。
バズベイトって出るときは出るのに、掛からないときは掛からないじゃん?
「針に載ってなかったのか?」と思ったりするんだけど、それをグラスにすると本当によく乗る。
「え、こんな出方でも掛かるのか?」って。
それを同じ日に比べればもっとわかるよ。
「今日はなんか乗らないね、グラスに替えてみよう」ってやってみたら全部かかるとかね。
でも、例えば亀山みたいな込み入ったオーバーハングの下を入れてくときは低弾道のグラファイトモデルに分があるよなっていうので、かつてはシチュエーションに合わせて使い分けていたけど、今度のモデルはアキュラシーも良いから色々使いこんでみたい。
だから、俺もこれから答えを出していくし、タクミも出していくけど、みんなにも各々の答えを見つけてほしい。
そんなロッド。 「みんなでつくるロードランナー」、そんな感じかな? 横浜ショーのブースの位置が結構寂しいので、良かったら足を運んで、ぜひ触ってみてください。
ということで、今週はこのへんで。
来週もよろしく!
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