川村光大郎 OPENMIND 2024/2/1 スティーズコンペティション追加モデル解説①【キングヴァイパー】

この一週間は釣行ナシでした。

ということで今回は、スティーズショアコンペティションにて追加となる「キングヴァイパー」と「 ウェアウルフ」について記させてください。

それぞれ、初代があってのモデルチェンジとなります。

キングヴァイパーに関しては本来であれば昨年のリリース予定でしたが、完成まで思いの他難航し、2年目に突入してしまいました。

とは言えやりたいことは明確で、パワーランクを落とすことで、ヘビーバーサタイルロッドとして使用頻度の高いルアーの快適性を高めることでした。

そもそも初代からキングヴァイパーに求めたのは、

・軽く、高感度であること

これは、パワフルなタックルでアプローチすべきカバーフィッシングにおいても、入れるルアーは5g前後のジグやテキサス、高比重ワームのノーシンカーであることも多く、シャープなキャストフィールから操作感においても譲れないところでした。

・強度と粘りもあること

3オンスクラスのビッグベイトを適応ルアーの上限にしており、それらをロッドの反発力だけで弾き出すパワー。

高い負荷をかけて曲げ込んでいっても、どこまでもクッションが利く粘りがあり、重量級ルアーを余裕をもって受け止める強度があること。

・「軽さ・感度」と「粘り・強度」

本来相反するこれらの要素を1本のロッドに備えるために提案したのが、「高弾性素材&スローテーパー」でした。

素材は軽くて反発力も強く、感度にも優れるもの(FVSナノプラス)を採用しつつ、根本まで均一に曲がるスローテーパーにすることで曲がり終わりなく反発する粘りは、ブランクスに負荷が集中するポイントがないことで折れにくさにも繋がります。

曲がってからの復元力を高めるダイワの技術「3DX」は適材適所だと思いますが、このモデルには相性が良かったです。



“こんなに軽いのに、こんなにパワフル”


軽めのリグからビッグベイトまで対応する高いバーサタイル性を備えることができ、ダイワの開発担当も、「これまでにないロッドになりましたね」と言ってくれました。

使ってくれた方にもその独特のテイストを感じてもらえたかと思います。

好評をいただいていた初代から、2代目はどう変わったか?

もっとも変えたのはパワーランクで、快適に扱えるルアーウエイトの上限を2オンスクラスに引き下げました。

つまり、重量級ルアーをよく使う方にとっては、初代キングヴァイパーの方が適していますし、使用範囲の懐も深いことも申し上げておきます。

それでもパワーランクを落とした理由は、実際に使用頻度の高いルアーやリグの使用感をより高めたかったからです。

初代は懐深いパワーを有する反面、ほとんどの場合においてちょっとオーバーパワーでした。

これはボクの例ではありますが、ビッグベイトの使用率は高くなく、カバーフィッシングで使うジグやワームリグも10g以下であることがほとんど。

それでもロッドが軽いし曲がってくれるので十分に扱えてしまうのですが、とくにティップの強さが勝ってしまい、繊細な操作感はなく。

ティップの径も太く、視覚的にも繊細さに欠けました。

釣りをしていて常に感じていた部分でしたので、これは改善したいと。

そしてロッドの長さは、6.11ft⇒6.9ftにすることは最初から決めていました。

これは先にモデルチェンジしたファイヤーウルフに合わせたことは初代と同じで、同じフィーリングで使いたいからです。

ちょっと短くすることで、平均的なキャスト精度や操作性を高めたこと。また、レンタルボートでの使いやすさも意識しました。

パワーダウンしつつも、キングヴァイパーらしい軽さと感度と反発力、そして粘り強さを踏襲。

という調整レベルかと思いきや・・・

まさかの迷走へ。

2022年1月14日のテストロッド

パワーランクを下げたとはいっても、「ここまでの重さ(もしくは抵抗感)は快適に使いたい」といったルアー(リグ)の使用感が想像以上に悪くなってしまい・・・

じゃあ、バットを硬くしたら粘り感が損なわれてしい、「キングヴァイパーではない」と。

ティップを硬く?テーパーを変えて?ウェアウルフを硬くしたらどうだろう?

ここでは書ききれないし、ボクも忘れてしまうほどバージョン違いをサンプルアップしてもらい、それでもOKを出せないまま2年目に突入ですよ”(-“”-)”

2022.3~4月開発今井さんとのテスト以外にも、プライベートやロケでも使い続けていました。

2022.3.18豊英での47.5㎝はスクーパーマグナムにて

2022.6.21ロッドテスト

それによって発売も遅れ、開発担当の今井氏にも迷惑をかけました。

2022.9.16豊英にて54.5㎝。スクーパーマグナム

2022.11.28ロッドテスト

2023.1月

同月タイニークラッシュ

2023.3.3ドリームレイク今井さん

「A」 から始まったサンプルは「Z」までいき、2周目に入ったところで納得のいくブランクスに仕上がりました。

結果、パワーランクはH~MHへ。

その分ティップも細く柔らかくなったことで、軽めリグでの操作感も向上しました。

初代と2代目ティップ径比較。初代が上、2代目が下です。

そして、ブランクスカラーは、太陽光を浴びると深みのあるオリーブリーンに。

カバージャングルをイメージし、ちょっと違いのカラーサンプルの中からイメージする色合いを選びました。

ちなみに、ファイヤーウルフではストレートグリップを採用していますが、キングヴァイパーでは初代と同じセパレート。

これは、バーサタイルど真ん中のファイヤーウルフはあらゆるキャスト(時に短く持ったり)を想定してのストレートを今回は選びましたが、 キングバイパーに関しては、ダブルハンドキャストかピッチングがメインになることが理由です。

これは好みもあるし、絶対ではないのですが、どちらか選ぶに当たってそれぞれそういう選択をしたということです。

用途的には、ジグ・テキサスのようなリグは3.5~14g、他にファットイカ(約11g)のような高比重ノーシンカーも範疇。

ハリースライド(約9.5g)も扱えますが、こっちはパワーランクがM+のファイヤーウルフの方が扱いやすくなります。

適応ウエイト的にはファイヤーウルフとかぶるところもありますが、カバーの種類や濃さによっての使い分けもしています。

ワーム系では他にスイムベイトや、今度リリースするヴァラップスイマー5.5インチも。

ビッグベイトなら、タイニークラッシュのような2オンスクラスまでが快適範疇となります。

他に、3/4オンスクラスのヘビースピナーベイトにも相性良く、ストーミーマグナムのようなマグナムクランクもイケます。

合わせるラインは、初代は16~20ポンドでしたが、2代目は14ポンドからマッチします。

ちなみに、キングヴァイパーのしなやかなテーパーはアワセ切れしにくく、バラシにくいことも特徴ですよ(^_-)-☆

バットで止まるロッドのような分かりやすい掛け感はありませんが、全体的な反発力でフッキングパワーに不満を感じたことはありません。

う~ん、キングヴァイパーだけでけっこうな長文になってしまいました(^^;

ウェアウルフに関してはまた今度記させていただこうと思います。

さて、ダイワのYouTubeチャンネル『Ultimate BASS』では、釣りフェスティバルでの佐々木勝也とのステージが公開されておりました。

https://youtu.be/CnS2kKnIEM4

キングヴァイパーの開発に1年以上かかったことで元々予定していたウェアウルフが重なり、さらに勝也監修モデルのストラトフォートレスも加わり・・・

と、異例の3本リリース。それぞれについて熱弁しております!

今週末は大阪フィッシングショーが開催されます!

ダイワブースに駐在しておりますので、ショアコンペティションのこと、NewスティーズSV TWのこと、それ以外でも、お気軽にお声かけいただければと思います(^^)/

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