川村光大郎 OPENMIND 2024/2/11 2代目ウェアウルフについてのあれこれ

ここ一週間もNo Fishingでした。

フィッシングショー翌日は大阪に残り、ルアマガロケにて山田祐五さん、青木大介さんと対談。

これまで数々のロクマルを釣ってきたお二人に、ロクマルを釣ったことのないボクが「どうしたら釣れるのか!?」を突っ込んで聞いてきました。

さらにBasserでも対談ロケがあり、こちらは佐々木勝也とネコリグについて。

他にも所用あり、溜まった仕事を片付けているこの週末です(^^;

そんなワケで、先週のキングヴァイパーに続き、今週はウェアウルフについて記させてください。

ウェアウルフもショアコンペティションとしては2代目になりますが、それ以前から愛用していたロッド。

元々はヘビーダウンショット用のモデルでしたね。

ベイトフィネスタックルが出てきたタイミングと同じくして、スナッグレスネコリグを見出した頃。

リールはアルファスKTFチューンに感動を覚えたものの、当時のベイトフィネスロッドは柔らかいものばかりでボクが欲するカバー撃ちに対応できる硬さのものは見当たりませんでした。

そんな折、硬さ的にこれくらいかな?とウェアウルフを試してみたところ、想像以上のメリットに気づいたのです。

ティップは硬いのにバットまで曲がり込むことで、軽量リグでも投げやすい。

SVFコンパイルX素材がもつ強い反発力によって、低弾道でのピッチングもしやすく、気持ちよくキャストが決まりました。

曲がるのに反発力は強い特性はフッキングパワーも十分で、バットにクッション性が残るのでアワセ切れもしにくい。

そして、軽くて感度に優れること。

SVFコンパイルX素材のメリットが最も生きるのは、ベイトフィネスだと思います。

軽量リグでも、それに応じたロッドの柔らかさやラインの細さなら必要な感度は得られます。

しかし、リグに対してオーバーパワーなロッドと太いラインで扱い、さらにカバー越しに誘うことも多いベイトフィネスは感じにくくなる条件ゆえ、素材の感度に頼らざるを得ないのです。

本来の用途とは違ったベイトフィネスにおいて欠かせなくなったウェアウルフですが、強度において不満がありました。

強いアワセやフッキング時に折れたことは一度や二度ならず・・・

そこで、ショアコンペティション化するにあたり、要望したことは強度アップでした。

若干の強度アップと、フックキーパーなど細かな変更はしたものの、それ以外に変えるべきところは見当たらなかったのが当時(のボク)でした。

とは言えもう少し良くなるかも?と、ちょっと違いのサンプルは試みたものの、元の方が良かったね、と。

それから4年ほどの間に、「もっとこうしたい!」要望が、3点出てきました。

1つは、ティップの反発力を落としたい。

これは特に中層マイクロピッチシェイクで感じたことなのですが、かつてより、アワセで空振りするケースが増えました。

カバーの中層に浮くバスもスレ切ってしまい、食い気があるバスでも警戒して吸い込みが弱くなっていると感じました。

そこで、柔らかいソリッドティップを搭載したモデルも試したのですが、この釣りには不向きだとあらためて・・・

カバーにティップを突っ込むような狭いスペースでの即掛けが利かないし、ブッシュ等からピックアップするときに軽く枝に挟まっただけでもティップが入ってしまい、そこから外れた反動で他の枝に巻き付くことが多発する。

そして、ティップで吸収してしまい手元に伝わる感度も足りず、補うのにラインをいつもの10ポンドから8ポンドにした1発目で切られて「こりゃ無いな」と。

ウェアウルフの硬いティップだからこその掛け感とカバーからの抜きやすさ、そして感度であることを再認識しましたが、バイトは弾いてしまうという・・・

そこで、硬いままで反発力を落とすには、滑らかなテーパーでのソリッドティップ化。

ファイヤーフラッシュとファイヤーウルフで上手くいったことから、ウェアウルフでもイケるはずだと思っていました。

が、上記2アイテムでハマった中弾性ソリッドはイマイチ・・・

先に記したように、ベイトフィネスは感度に不利になる条件ゆえ、元のSFVコンパイルXチューブラーティップと比べると感度が足りず”(-“”-)”

高弾性ソリッドは許せる範囲内の感度はあり “落としどころ” かと思われましたが・・・

最後に、「バスロッドにはまだ採用したことがないのですが」とサンプルアップしてきた超高弾性ソリッドの「メガトップR」が理想を適えてくれました!(^^)!

SVFコンパイルXチューブラーティップに迫る感度がありつつ、硬めティップでも先まで曲がる“モタレ感”がある。

また、径が細くなったことで、視覚的にも繊細さが出ました。

新旧のティップの比較です。

そして2つめは、バットまで曲がることも良さのウェアウルフですが、フッキング時に“グネリ感”が手の平の伝わることがありました。

フッキングパワーをロスしている感覚で、無くしたいな、と。

しかし、かつても試みたことでしたが、バットを硬くしたりテーパーを立てたりすると投げにくくなり、ウェアウルフの良さを損ねてしまう。

高反発素材が裏目に出てしまうケースですが、扱うリグが軽いのでなおさらその傾向が顕著に出てしまいます。

結果、曲がってからの復元力を高める“3DX”の採用により、しなやかなんだけどパシッと芯がある感覚に仕上がりました。

最後の3つめは、もっと強度を高めたい。

これはショアコンペティション化したときの要望でもありましたが、より強く。

ショアコンペティション以前ほどではないものの、初代SCウェアウルフが折れたときに感じたことです。

折れない竿はありませんし、おそらくキズから折れたのだと思いますが、もっとやれるはずのイメージがありました。

それは、スティーズの旧モデルにあったフランカー。

7フィートMHと強めのモデルとはいえ、SVFコンパイルX素材にしてはちょっと重い。

細身・厚巻きのブランクスで、わりと下まで曲がるテーパーながら反発力が強く、折れにくいだろうな、と。

「これ以上軽くする必要はないし、ちょっと重くなってもいいから、フランカーのような厚巻きを試したい」とリクエストしました。

とは言え、軽さもウェアウルフの良さでしたから、違和感になる重さになったらイヤでしたが(^^;

サンプルを使ってみると、それでも十分に軽い!

実際は少し重くなっているのですが、思いの他それを感じなかったのは、グリップエンドに配したラバーコルクの重さがバランサーとして機能しているからかも?とのこと。

これにより、強度アップのみならず、フッキングパワーやリフティングパワーも向上しました。

前作よりちょっと硬くなった?と感じる方もいるかもしれませんが(橋本卓哉さんや、フィッシングショーでも指摘した方がいました)、これはウェアウルフを愛用してきたからこその鋭い感覚で、驚きました。

実際には、硬くなってはいないけれど、厚巻きと3DXにより反発力が高まっていることを敏感に感じられているのです。

ちなみに、ウェアウルフは他に代用が利かない竿として愛用される方も多く、ルアマガのティーチャー大場さんもその一人。

ウェアウルフを折ってしまい、他の同じ番手を買うもウェアウルフの代わりにはならないと買い直し・・・今は3本持っていますと。

ワームリグ以外にも、ジャークベイトやスピナーベイトにもいいとのことでした。

今回は、ティップもバットも中身(厚巻き)も変えたので、ウェアウルフファンがどう評価されるか?は興味深く、ちょっとドキドキ(^^;

でも、それぞれに狙いがあり、最新素材によって適えられたところもある。

「もっと繊細に、もっと強く」そんな願いを詰め込んだ1本です。

昨年3月、テストでのDaiwa今井さん。

同じく昨年5月の将監川でキャッチしたバス。

ドリームレイクと天然フィールドでテスト。釣りまくらないと分からないことと、実戦フィールドでしか分からないことがあります。

ブランクスのカラーは、SVFコンパイルXのイメージであるレッド系で、濃いワインレッドにしました。

リリースは3月の予定ですが、初回生産分はすでに受注オーバーとのことm(__)m

ありがたく、そしてお待たせしてしまう方には申し訳なくも、気に入っていただけましたら幸いです。

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