田辺哲男【VOICE】2024/03/24 ルアー作りについて

今週は釣りには行きませんでした。

基本的には家でせっせとルアーを作っていましたよ。

今はマルノミフラットのディープモデルを作ってて、それを完成に向けていじっている。

ピッチとかロールは決まってるから、それをそのままディープまで潜らせられればどうなるんだ?っていうね。

あとは根掛かりの回避具合とかをこれから注意深く見ていく感じかな。

他のプロトとしては、フラッグツインがあるけど、あれはタクミに任せてある。

俺があまり干渉すると俺のルアーになっちゃうからさ。

できましたよってタクミが言ってきたら、俺が使おうかなと思ってる。

ただ、タクミには「ツインの看板を背負うんだから中途半端なものは出させない、スーパーよく釣れるものを作ってくれよ」とは言ってるよ。

エスケープツインは、実は最初から釣れる核心部を理解していていたわけじゃない。10年、20年釣っていくうちに、ここが釣れる理由なんだってのがわかってきた。

それはビッグエスケープもリトルツインも同じ。

だからノリーズのルアーの開発には時間がかかるんですよ。

シングルコントロールは1年くらいで出したけど、これは短いほう。

自分がよく理解しているスピナべがベースだから開発は早かったね。

ただ、シャッドテールとかはだいたいバランスが取りやすいんだけど、フリップギルっていう平たいトレーラーをいかに載せるかっていうのが一番難しかったかな。

シングルコントロールの開発に関しては、バサー誌の『リミット1』を真剣にやり出したっていうところも大きいと思う。

2日間で1本っていうルールとは言いつつ、いろいろ手駒がないと手詰まりになってくる。

これもダメあれもダメ、だったら何ならいいの? でも経験上スローダウンしたところで大きいのが釣れるとは思わないしって状況で、でかいのが釣れる新しい手駒が欲しかった。

それで、『リミット1』でもガンガン投入していって、スパルタで育てていったのがシングルコントロールなわけですよ。

実戦の場でいろいろなタイプのプロトを入れて、結果釣れなかったととしても、じゃあもしここをこうすれば釣れたかもしれないとか考えちゃうと、どんどんルアーをいじる意欲が湧いてくるんだよね。


だから、俺の今作っているルアーは、ちゃんとしたサイズの元気な魚、目が良くて賢い魚、そういうバスを反応させるために作ってる。

賢い魚を小細工で食わせんじゃなくて、ルアー本体が持つ性能でしっかり食わせていかなくちゃ、俺の手駒にならないからさ。

だから、最近は普通のスピナーベイトを投げなくなってきてるんだよね。

スピナーベイトは、自由にレンジを変えられて、障害物もかわせて、アピールが強くて魚をもんどりうって食わせることができるルアー。

そこで、サイズもでかいですよっていうのがシンコロなわけだから、シンコロばかり投げちゃうんだよ。

低水温だって食わせられちゃうしね。

シンコロは新ジャンルで、自分でもヤバイものを作ったと思ってる。リリースしたばかりで、いろいろなフィールドやいろいろなシーズンでやりきれてないところがあるから、これから何が起きてくるのが楽しみだよ。

とまぁ、こうやってでかいバスが反応するキーを見極めていっているわけですよ。

マルノミでは三島湖で55アップを釣っているけど、今の日本のフィールドコンディションで55アップがクランクを丸呑みするんだって俺も驚いた。

じゃあこのルアーのこの動きでこういうことで反応するのかって、そうやってルアーを考えていく。

レイダウンミノーディープジャストワカサギもでかい魚が釣れるんだけど、あれも釣れる違いを持っているルアーだと思ってる。

みんなはあまり気にしてないと思うけど、他のシャッドよりも明らかに釣れる魚が大きいんだよ。

そういう、でかいのが釣れる何かを持ったルアーを作るのは難しいんだけど、そこが楽しいところでもあるんだよね。

というわけで今回はこのへんで。

来週もよろしく!



※編集部からお知らせ
田辺哲男【VOICE】は今月いっぱいで終了になります。
ご了承のほどよろしくお願いいたします。

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