【試合後対談】陸王MOBILE2022第1戦 佐々木勝也VS安江勇斗in霞ケ浦
陸王モバイル2022の初戦は佐々木勝也の圧倒的な勝利で幕を閉じた。
お互いがこの水系を知り尽くすスペシャリスト。思考も似通ってくるのか、エリアがバッティングするタイミングもあった。
両者はどのようなストラテジー、マインドセットで挑んだのか。
試合後の対談をお届けする。
佐々木「正直、朝一のバッティングはかなりびっくりしました。マジか、と。去年の陸王で三原くんが対岸でやっていたりもあったんで、こういうこともあるよねと。だからほとんど相手を見ないで、自分の釣りを集中してやりました。なんで朝一はあそこを選んだの?」
安江「菱木川はもともと気になっていたエリアで、プラの時もバイトがあって。でもキャッチはできなかったんですけど。でもバイトの仕方が単純だったんで、魚は薄いけどあるなと」
佐々木「今みんな上に行っちゃってるからね」
安江「橋2本目までは魚は薄いんですけど、いたら簡単に口を使わせられるんじゃないかと思って、どうしてもやりたかったエリアだったんです」
佐々木「なるほどね。俺も入った理由としては、まずスタート場所が玉造だったんで、そこから行ける範囲で朝一に可能性がある場所と考えると菱木川。プラでは1800g近いのを釣ってて、昨日の夕方もフックを折ったホバストで3回くらい食ってきました。雨が降って濁ったらジグとかでどうにかできるかなと。
でも思いの外濁ってませんでしたね。濁りが薄いし、濁ってくるのを待つよりも移動しようということで、すぐに東岸に行った感じかな」
安江「今日はどんなルアーで釣ったんですか?」
佐々木「シュリンピードJr.で1本と、残りは全部シュリンピードのノーマルサイズ」
安江「岸側ですか? それとももっと沖に落ちた魚ですか?」
佐々木「全部浅いところ。ショアラインで全部水深50cm以内とか。ロングキャストもしたけど、食ってくるのはピッチングで届く範囲だったかな。
バイトは他のルアーでも1日を通して10バイトくらいあったけど、食いが超浅くて。でもシュリンピードは、1匹フォールだけど、あとは全部高速トゥイッチからのフォールで食ってきた。スイッチを入れないと食わないし、スイッチを入れた後に動き続けるルアーには反応しないというのもわかったから、ちょうどいいのがシュリンピード。
でもあまりにも雨が良くなくて、風が弱くて晴れかローライトが理想だったんだけど。雨で魚のテンションが下がって、9時の中間発表で、お互いゼロなんじゃないかと思ってたんで、焦りはなかったかな。で、中間発表終わった後くらいに1本釣れて。
安江くんはどんな釣りで釣ったの?」
安江「僕は、釣りというより、キーになる場所が見つけられなくて…。アシと河口っていうのが自分の中でバイトが多く取れていて、あとは東岸のシャローとか。それプラス、今日は見失ってたんで思い出めぐりですけど、この時期良かった場所を突っついてった感じですね。
試合に入る前に、佐々木さんと対戦するにあたって、沈む虫系の勝負になったら勝ち目は無いと思ったんで、違う釣りをプラでは時間を割いて探そうと思ってましたが、なかなか見つからず今日を迎えたと。
その中でも、シャッドテールの釣りは可能性あるかなと感じて、ちょっと投げてました」
佐々木「釣れたルアーは?」
安江「結局釣れたのはカバースキャットの2.5です。普通にアシに落として、フォールさせたら食ったのが見えたんで」
佐々木「そっかぁ。お互い釣っている共通点があるとしたら全部浅いところだよね」
安江「あと、不用意に近づきすぎて、バスが逃げちゃったりとか何回かあって、それはミスでした」
佐々木「正直、プラはかなり良くて、50アップ2本釣れて、1本は2130gあって。でも天気予報見て、冷えてダメになるなと。この時期の冷えた雨はすごい苦手で。こりゃヤバイなと。だからプラはバックアップ場所を探してた。リカバリープランもあったけど、それもたいしてハマらなかったから、ほとんど思い付きで釣りしてた。
午後は妙岐で連発したんだけど、普段妙岐は全然やらないのね。でも北東の風が午後から吹いて、妙岐ノ鼻で風がブロックできるから、ワンチャンあるかなと思ってやったら良かったんだよね。今日は必ず5本揃えようって決めてたから、安江くんのことは気にしないようにして自分の世界に入って釣りができたら、それが良かったのかも。
どうしてもカスミってすれ違ったりするから意識しちゃうんだけどね。でも絶対見ないようにしようって。対戦相手が見えて、それがやりづらいとか言ってたら勝負にならないから。勝負って、相手の前にまずどれだけ自分の釣りができるのかが大事だってことに、去年負けて気付いて。だから今日はプラのことは忘れて、自分に獲れる魚を1から見つけていった感じかな。プラは参考にしつつ、今日は今日の魚を探そうと思ったのが結果に繋がったのかな」
編集部:安江選手は、今回陸王というバトルをしてみていかがでしたか?
安江「こんな舞台を用意していただき、佐々木さんという対戦相手に、本当に貴重な経験をさせてもらって…。なんていうんですかね…。いろんなトーナメントに出ましたが、今回は応援してくれる人もたくさんいたんで…。でも全然いい釣りができなかった…。取り返しはつかないんで、この悔しさを他のトーナメントに生かして、アングラーとしても人としても成長できたらなと思います。もう一度、霞ヶ浦に対して真剣に向き合いたいなと思いました。本当に恥ずかしい釣りをしたなというか…」
対談中、悔しさから言葉がつまる場面も。この涙が彼をさらに強くさせる。
佐々木「そんなことはないと思うよ。俺は陸王で光大郎さんにも負けてるし、三原くんにもフルボッコにされてるし。その度に悔しくて泣いてたし。あの日負けてなっかたら、今日ここで負けてたかもしれない。悔しい気持ちをしたから、普段から勝つための釣りを考えるようになった。川の上流も好きだけど、いつでも陸王に出れるようにルール内の本湖本流で普段から釣りをしてるしね。俺もいっぱい負けてきたから、安江くんも大丈夫だと思うよ」
編集部:お互いがホームでのぶつかり合いはとても珍しいカードでの戦いでした。結果は坂がつきましたが。すごく見応えのあるいい試合だったと思います。では、せっかくロコの二人が揃っているので、見ている方に今の霞ヶ浦の攻略法を教えていただけますか?
佐々木「自分は場所にこだわりを持つのではなく、その日その時にいい場所を探すということをすごく意識しています。今回もプラでいい釣りができたポイントはあるんですけど、今日釣れた場所はゼロです。風向きなど状況がひとつ変わっただけで釣れなくなってしまうというのが、このフィールドの本当に難しいところだし楽しいところなんで。水門の開閉と流れ、風の有無とかを考慮して、その日バスがどう動いているかを考えていくことが大切かと思います」
安江「一生懸命さは大事かと思います。ちょっとやって釣れなくて諦めて帰る人もいるかと思いますが、やっぱりやり切るとちょっとしたヒントが見つかったりします。そのヒントを集めていくと、それが経験値として集積されて、次の1本に繋がると思います。フィールドに向き合う姿勢ですね。これは霞ヶ浦水系だけじゃないと思いますが。
難しくて、心が折れそうになることもあるかもしれませんが、一生懸命やればきっと価値ある魚が釣れるポテンシャルがあるのがこの水系なんで。なので、みなさんも頑張ってください。僕自身も頑張ります!」
編集部:陸王モバイル2022年、初戦からめちゃくちゃ熱い戦いありがとうございました!
安江「ありがとうございました。決勝、勝ってください!」
佐々木「ありがとう、勝ってくるよ!」
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