皆さんこんにちは!
皆さんは、
桧原湖の生い立ちをご存知でしょうか?
「磐梯山の噴火によって出来た堰止湖」である事まではご存知の方も多いですかね?
僕はもちろん桧原湖でのバス釣りが大好きですが、単なる魚好き、自然好き、生き物好きでもあり、もうちょっと言うと火山、地理好きです(いずれも好きなだけでそれほど詳しくはない)。 そんな自分が常々思っている事は…
「せっかく桧原湖で釣りをするなら、釣りにしか興味を持たないのはもったいない!」という事。
いや、それは人それぞれですし僕がとやかく言う事でもないのですが、桧原湖の生い立ちや周辺の自然、生き物の事など「今まで知らなかったから、ただ何となく眺めてた」という方でも「知るキッカケを得られれば見方が変わって面白い!」と言ってくれる方も多く、僕としては嬉しい限りです。笑 という事で、今シーズンの連載ラスト2回は桧原湖の生い立ちと、周辺の自然や生き物達について綴って行こうと思いますので、お付き合いください。笑
まず冒頭で触れた通り、桧原湖は磐梯山の噴火によって出来た堰止湖。言わば天然のダム湖です。 溶岩で堰き止められた…?と思っている方も多いのですが、違います。
噴火によって山そのものが崩壊し、山1つ丸々崩れ落ちて来て堰き止められたのです!!
現在の磐梯山は、皆さん見慣れたこの形。 左右に1つずつ山があります。
詳しく言うと右の高い方が磐梯山本峰(大磐梯とも)。左が櫛ヶ峰。
巨大な噴火口が目を引きますね。
この噴火口が1888年の噴火により出来たもの。
噴火前はどのような形だったかと言うと…
こんな感じで、桧原湖側から見ると真ん中にもう1つの山があったのです!(あくまでもイメージ図です) この山は小磐梯という名がありましたが、先述した噴火により「山体崩壊」を起こし、小磐梯は完全に消滅。
岩屑なだれとなり山の北側、即ち現在の桧原湖側に猛スピードで崩れ落ち、当時そこにあった湯治場や集落、そこで暮らす人々、家畜までも押し潰し埋没させました。
爆裂を伴う超巨大な地滑りと思うとイメージし易いかもしれません。
流石に噴火中の写真は持ってないので、磐梯山噴火記念館とゴールドハウス目黒で買える磐梯山噴火饅頭のイラストで雰囲気だけでも…笑 この磐梯山の噴火で亡くなった方は477名。
被害は広範囲で猪苗代側にも及んでおり、全ての被害が桧原湖周辺で起きた訳ではありませんが、今でも桧原湖の湖底の更に下の地下には、岩屑なだれに飲み込まれた集落と、そこに住んでいた人々が眠っているはずです。
桧原湖南部に存在する沢山の島、島、島、島、島…。
そして起伏に富んだ複雑な地形、ハンプの数々…。 これらは全て、たったの135年前までは磐梯山の一部だった訳です。
こうした、現在は島となっていたり、僕たち釣り人がハンプと呼んでいる、山体崩壊によって崩れ落ちた岩石や土砂で出来る小山を「流れ山」と言います。
多くの人が「吹き飛んで来た」と表現する桧原湖南部の岩々ですが、「崩れ落ちて来た」の方がより正確ですかね。 で、山体崩壊による岩屑なだれが到達したのはちょうど桧原湖中央くらいまで(中ノ島とその周辺のハンプ群あたり)。
桧原湖南部と北部で地形が全く違うのはそのためです。
岩がゴツゴツしていて複雑で難解な地形をしている南部とは対照的に、シンプルな赤土、砂ベースな地形が多い北部。
南部では雄子沢以外ほとんど無い立木が豊富なのも北部の特徴。 北部は土砂に埋まらず、ただ水没しただけなのでこうした昔の地形がそのまま水中に沈んでいます。
水温が低めで安定している為なのか、湖流が弱い為なのか理由は分かりませんが、15mを超える深場になればなるほど、昔の木々がそのままに近い状態で残っており、湖底森林とでも呼べそうな光景が現代の高性能な魚探で確認できます。
この神社の鳥居と参道も有名ですね。 この沖には「桧原宿」という宿場町が沈んでいます(建物はほとんど残っていません)。
近年はこの一帯の水中遺跡の調査が進められていますね。
我々釣り人目線で言うと、まるで冒険?ジャングルクルーズ?をしているかのような気持ちにさせてくれるこの光景。
この地形の生い立ちを知ると、更にワクワクして来ませんか?僕はします。笑
ちなみに、湖南側に見える森は特に松の木(アカマツ)が多いのですが、釣り人の皆さんは気付いていましたでしょうか? これは、噴火により荒地と化した裏磐梯の地を再び緑に戻そうと、
遠藤現夢という人が大規模な植林を行った事で作られたアカマツ林なんです(会津の桜の名所である鶴ヶ城に最初に桜を植えたのもこの人)
同じ湖でも場所によって違う森の様子。
それを見ながら思い耽るのも、僕は好きですね。笑
裏磐梯と言えば、五色沼湖沼群。 桧原湖のすぐ近くです。
この近くの森には遠藤現夢の墓があります。
青、赤褐色、エメラルドグリーン… なんと、これらの沼の水源はどれも同じなんです。
しかし水源から地下を通る際のルートによって酸性度に違いが生まれ、沼の色に違いが出るとの事。
聞いてるだけでめちゃくちゃワクワクしませんか?笑
そしてこの五色沼湖沼群も、磐梯山の噴火により生まれました。 僕達は自然の圧倒的な力に畏怖しながらも、もっともっと感謝しなくてはいけないのかもしれませんね。
ちなみに磐梯山の噴火については、先に少し紹介した
「磐梯山噴火記念館」でより詳しく、深ーく知る事が出来るのでオススメですよ!
これだけ風光明媚な、素晴らしい観光地にある桧原湖。 釣り人だけでなく、沢山の観光客が訪れます。
僕達釣り人は、その辺もしっかり考えた上で釣りを楽しみたいなとも、改めて思いますね。
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