陸王mobile2021 第3戦 対談 史上初ダービーvsオープンのチャンプ対決は、佐野亘彬選手が安田大助選手に圧勝!

共に初挑戦のアウェー&タイマンバトル! 数少ないチャンスを獲るか否かで明暗


岩佐「二人ともまるでローカルアングラーのような動きをしていて本当に驚いています」。

昨季2020年の陸王MOBILEチャンプにして、今大会の開催地・北浦(茨城県)をホームとするスーパーロコである岩佐ゆずさんは、両選手の激励に訪れた際こう語ったことが印象深い。

ダービチャンプ・佐野亘彬選手、オープンチャンプ・安田大助選手共に、ホームは西日本。北浦へ訪れるのは今回が生涯初で、試合前の下見から公式プラクティス2日間を経て試合当日の経験値は1週間にも満たない。

ところが地名はもちろん、地形から場所ごとの特徴など実に深い読みを披露。両選手の様々なスキルが高次元であることが明らかとなった。 ところが、試合は魔物だ。 スタートダッシュを決めた佐野選手に対して、ほぼ同時刻に足下でまさかの手痛いミスを食らった安田選手。試合の入り方にちょっとした差が生じた二人は、互いに良くも悪くもペースを変えず終始ゲームを展開。陸王の神様がいるとすれば、今回は佐野選手に味方したと言わざるを得ない結果となった。

佐野「試合前に、今回はどちらが勝っても負けても、試合後はもう1日残って互いの釣りを共有しようと約束していました」。

安田「そうやね。誰かが言ってた『攻めの安田、守りの佐野』。2人の技術が合体したら、無敵や」。

ダービー&オープンの陸王戦士たちは、10月に行われる今季の決勝に向けて総力戦で戦うことを誓っていた。陸王の新フォーマットが産み出した友情は、第1戦勝者の折金一樹選手や第2戦の加木屋守選手といったプロアングラーたちに一矢報いることができるのか。決勝が今から楽しみでならない。

それでは、当試合後に行われたクロストークの模様を振り返っていこう。
 

サイト主軸vs時合系の釣り ごく些細な読みの差で結果に明暗

編集部:というわけで佐野選手の勝利です! おめでとうございます!(拍手)

佐野「えー、ウソ!」。

安田「5尾! マジか! 5尾は無理やー…」。

佐野「どうしたんですか、安田さん」。

安田「いや、バラシやキャットばっかりやったわ…。で、ノブくん(=佐野さんの愛称)の最大魚1510グラムでどこ?」。

佐野「石川です」。

安田「バッティングしたところやんね?」。

佐野「はい。あそこの下流から1本目の橋の下です」。

安田「何で釣ったん? サイト?」。

佐野「いえ、スクーパーフロッグです」。

安田「カエル! 川村光大郎さんに感謝せなアカンね」 。
 


佐野「ていうか、安田さんゼロて! そんなことあるんすか!? 見失った???」。

安田「あったんやって!(笑) いや、朝イチ1投目ですっぽ抜けて、そこから15〜20分でもう3発出したんやけど…。足下まで寄せた1尾は気が緩んだ瞬間にバシャバシャて…」。

佐野「エーーーーー! ネットは?」。

安田「忘れとった。雁通川やから浅いし何とかなるやろと。それにしっかり口にフックが掛かっとったし…けど…」。

佐野「チャンスは朝だけだったんですか?」。

安田「いや、そこからトンボ公園の4つの流れ込みがあるところへ。朝のスタート前、ノブくんはオレのタックルを見て『使わんやろ』と言っていたG.I(レイドジャパン)で昨日、実は2尾釣っとるんよ」。

佐野「マジっすか!」。

安田「そう。1500くらいのを残しといたんで、夢を見て行ったんやけど…2500くらいのナマズ(笑)」。

佐野「(笑)」。

安田「3キロ以上あったかもしれん(笑)。ノブくんは雁通川へ何回入った?」。

佐野「朝と最後だけです」。

安田「オレは3回入った。朝は濁っとったけど、夕方は濁りが抜けた感じやったね」。

佐野「そうなんすか」。

安田「濁ったタイミングで魚は下流に下ったみたいで、そこから西岸渡ってスピナベでポロポロとナマズが釣れて(笑)、残り2時間くらいを雁通川で粘ろうと。釣れたらでかいしと思って。そしたら水面がフィーバーしとってん!」。

佐野「後で聞いたらボイルが起きてたとか」。

安田そう。アイウェーバーでけっこうでかいの掛けたけど、全部バレた…全部やで」。

佐野「うわ、マジすか!」。


灼熱の夏を過ぎ、気まぐれの秋へ 流入河川はまだ生きていた!


安田「最大魚の1510グラムはどの時間帯?」。

佐野「2尾目なので、午前中の10時くらいです。1尾目は朝イチに雁通川の河口の矢幡ワンドでチビーブル(ボトムアップ)です」。
 


安田「どこ?」。

佐野「本湖に向いて左側です」。

安田「あー、風裏だったところね」。

佐野「そうですそうです。カーブで雁通川の水が当たる場所なんで、魚はおるやろと2〜3往復して獲りました」。

安田「それはどのくらいの魚?」 。

佐野「キロちょい(=1050グラム)」。

安田「40アップ?」。

佐野「はい、今回獲った魚はすべて40アップでした」。 

安田「エーーーーー! オレがミスした4尾を獲れたとカウントしても、絶対に届かないウェイトやわ」。

佐野「結局、水の良い流入河川を探しながら、東岸をウロウロした感じです」。

安田「石川、中里川、沼里川、白鳥川、それに大洋川とか?」。

佐野「たいよう? それは知らんす。あー、鹿行大橋より上流ですね。そこまでは行ってないです。ほとんどが川幅が狭いじゃないですか」。

安田「細い流入やけど、プラでは沖でも足下でもバイトがあったよ。だから、捨てたくはなかったんやけど、昨日減水したやん? それで切り捨てた」。

佐野「なるほど。ていうか、今回は運良くタイミングを捕らえることができたんですよ。濁り始めた段階で『バスはここにおるやろ』ってカバーがわかっていて、旧コイケ(ハイドアップ)の吊るしで2尾」。

安田「おーーーーー!」。

佐野濁ったら吊るし、それなりの濁りやったらスクーパーフロッグ(ボトムアップ)を泳がせて2尾でした」。

安田「いやー、今日の状況で5尾は無理や。朝イチのバラシが獲れていたらノリノリでイケたのかもしれんけど…」。

佐野「そうっすよね。試合の流れですよね。僕は朝イチに釣れたのがよかった」。

安田「朝イチにバラしたけど、この調子やったらまだイケるわと思っとって、9時の尾数発表でノブくん1尾でまだまだイケるわと。それがトンボ公園でキャット釣って、雁通へ戻ってきたタイミングやったから」。

佐野「僕は石川で2尾目(=1510グラム)を釣った段階で『流入河川が復活しとる!』と思いました。そこからエリアと釣り方を絞った感じです」。

安田「流入河川の水位やら濁りやらがめちゃめちゃクイックやん? 『これで合ってるのか?』ってメチャクチャ不安で、見えバスおらんかったらちょっとだけ釣りしてパス。もう雁通が圧倒的に魚が見えるしと思って」

佐野「なるほど、そうだったんですね」。

勝っても負けても深い絆 チャンプ総力戦で決勝へ挑む

 


佐野「僕が日曜日(=8月29日)から下見に入って、安田さんは土曜日(=28日)からですよね」。

安田「試合直前の2日間しか竿を出しちゃアカンくて、見るだけならOKというルールやったからね」。

佐野「で、日曜月曜と2日間回ってみての感想は、状況が『これはもう安田さん(の勝利)やな』と」。

安田「そうなん? オレは逆にノブくん夕リヤと思っとった」。

佐野「なぜですか??? どこへ行っても魚が見える状況だったんで、サイトが得意な安田さんの独壇場やと思ったんですけど」。

安田「魚は確かに見えとるけど、見えたり見えなかったり。おったりおらんかったり。安定感のない中で、そこをメインにはできへんなと。本湖の流入へ行っても、人が入れ替わり立ち替わりが激しいし、よほどフレッシュな魚でも入らん限り厳しいなと。タイミングの問題やし、再現性がないなと」。

佐野「確かにその通りです」。

安田「それとさ。広過ぎて、移動に時間がかかり過ぎる(笑)。だから、試合中にそれをやったらハゲる(=ボウズになる)やろなと」。

佐野「今日の北浦は完全に僕の味方してくれましたね。見える魚が減っていたんで(笑)」。

安田「(笑)」。

佐野「ていうか、『ダービー&オープンの会』、僕にとってはすごいモチベーションが上がるきっかけになりました。世の中には凄いアングラーがいっぱいおるんやなと本当に刺激になってます」。

編集部:その会には、何人くらい参加されているんですか?

佐野「去年のオープン、ダービーの決勝進出者8名…僕がカブっているんで7名と…」。

安田「その前年のオープンに出場した遠賀川の山口諒也くんも参加してますね。8名かな」。

佐野「合宿して、初日は皆で釣りをして、2日目は勝負をして『こんなうまい人おんねんな!』と安田さんを見て思ったし、もっとうまくならなアカンと日々さらに練習を重ねてきました」。

安田「さらに! マジか(笑)」。

佐野「みんなと繋がって勉強できることがすごくプラスになりました」。

安田「楽しいよね、横のつながり」。

佐野「で、明日は安田さんにサイトを始めいろいろ技術を教えていただけるということで(笑)」。

安田「いや、教えることなんてないて(笑)。ま、明日は一緒に釣りしてから帰りましょ」。

佐野クリアウォーター系の安田さん、時合系の釣りの僕。2人のパワーをひとつにして、さらに練習して決勝に挑みます!」。

安田「ホコタテやね(笑)。ガッチャンコしたら絶対に負けへんと思うで」。

編集部:12時間にも迫る死闘、おつかれさまでした! それでは最後に、気力尽き果てるまで戦い抜いた2人の陸王戦士に、最大級の拍手をお送りください!(拍手喝采)
 

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