艇王2022 第1戦 松本幸雄 vs 三原直之 in 西湖 試合後対談


大量の見えバスに翻弄される、悶絶のハイランドレイクバトル


キロクラス、あるいは2キロを優に超すグッドサイズのバスが数十尾単位で悠々とボートの周辺をクルーズする。産卵を終えた瀕死のワカサギも大量にいるが、バス達はほとんど意に介せず、ルアーにも関心を示さない。チェイスして来ても、あと寸前のところでバイトに至らない。そんな悶絶のプリスポーン時期に当たってしまったのが今回の西湖バトルだ。

魔のタイミングのバス達を、勝者はどのように攻略したのか。ディフェンディングチャンピオン・松本幸雄さんとサイトの達人にしてパワーゲーマーの三原直之さんのバトルをインタビューで振り返る。





編集部「それではフリップをオープンしてください!」

両選手『お~・・・!』

編集部「勝者は、三原直之選手です! おめでとうございます!」

三原「いやぁ、キツかったですね!」

松本「後半の休憩前に、15時前かな? 一回食ったんだけどね」

三原「あぁ、一緒ですね。自分の場合は釣って休憩に突入しました」

松本「じゃぁ同じタイミングで掛けてたんだね」

三原「バレたんですか?」

松本「落ち着いてファイトしたつもりだったんですけどね。ルアーはグリマー6。ポークをいろいろ用意していて、それを投げてたんだけどダメで。グリマー7に少し反応があって、それですぐに6にしたらそれで食って」

三原「それはボトムですか?」

松本「水面直下。水面は全然出なくて、ちょっと入れると食うっていう。ニジマスでもよくあるんだよね。ちょっとのレンジで変わる」

三原「へぇ! 今日はワンバイトですか?」

松本「その1回だけ。直前で帰るのが多かった。プラではポークが良かったんだけど、今日は全然。結構良いのが釣れてたんだけど、ポークは途中で封印。プラではハードルアー全然だったんだけどね。ポークはミドストで一回食ったのかな。ホバストもギリギリ反応するかなみたいな。それでグリマーにしてやっと食わせた感じかな」

三原「僕はプラはノーバイト・ノーフィッシュで。今日のこれが西湖の初バスです(笑)。今日は3バイト。1個は溶岩エリアのワンドの左奥。すごくバスとフナがいるところ。あそこで、自作のサイコロポークのダウンショット。あとは丸美ボートの前の砂浜。そこの岬になっているところにめちゃくちゃバスがいて。アイアローを浮かべてて、チョンってやったらスクールの中の1匹がバーンと食って。でもバレちゃって。

で、風が吹いてからは、水面が全然ダメだったんでミノーに変えました。ゆっくり巻いてたら結構ついてくるんですよ。それで巻きなのかなぁと思って結構巻いて。K-1ミノーに変えたら大スクールが来たんです。そのど真ん中に入れてパニックジャークみたいにパパパパっと動かしたら1匹が食ってくれたんです」

三原さんの初西湖バスは1840g。これが勝負を決する最終スコアに。


松本「俺もミノー投げたんだけどねぇ。でも本当にすごいスクールがいくつかあるよね。場所とタイミングとルアーが全部合ったときは食うんだろうね」

三原「そうですね。だから僕は“分母増やす作戦”でいきました。いっぱいいるところでやらないと釣れないっていうイメージ。プラではそれとは関係ない魚をずっと探してて。単体でいる元気ないやつとか、でも今日はそれは無理だってことで、分母が多いところでやって、1匹でも口を使ってくれればいいなと」

松本「プラでは単発のやつを1匹、ホバストで釣ったんだけどね」

三原「ポークのホバストですか? どうやってセッティングするんですか?」

松本「普通にネイルシンカー刺して。あの素材は刺せるんですよ。あとはテールにティンセルも刺して、レインボーシャッドみたいにして。沖の部位で釣ったんだけど、今日はいなかったね。俺も分母を増やして、その中でどうにか食わせるしかなかったかな」

松本さんがプラでキャッチした超グッドサイズ。このどちらかのサイズが釣れていれば、あるいは別の結果になっていたのかもしれない。



三原「なんで食わないんですかね? エサが多すぎるんですかね?」

松本「先週は大潮で、そこでは釣れたんだって。そこでお腹いっぱいになっちゃってて、今の小潮では食わないと。それでもこれだけワカサギがいたら食ってくれてもいいのにね。夕方はチャンスやるから、頼むから食べてぇと思ったけど釣れたらいいサイズだからね。三原君が釣ったのも、群れの中の普通のサイズでしょ?」

三原「そうです、中くらいのサイズでしたね」

松本「ヤバいサイズのバスいっぱいいるし、魚もカッコイイから、ちょっと西湖に住みたい(笑)」

三原「ははは!(笑)」

松本「でも今日3バイトはさすがだね」

三原「いやいや。今日は途中、ボトムも反応よかったですね。スモラバ2.3gでボトムで逃がしたりすると、食う寸前まではいくんですよ」

松本「三原君がやっても距離が詰まらないんだ」

三原「体色の薄いバスが下で食って、黒いバスが上で食ってる気がしましたね。いやぁでも疲れました」

1日やって数バイト。まさに紙一重の勝負。しかし、日が経てば西湖も別の顔を見せてくれるはずだ。


編集部「西湖はカバーや地形変化が乏しいし、バスもいないところはいない。どうやってバスを探したらいいんでしょう?」

松本「まずは風下、そしてワカサギとヘラボールかな」

三原「その通りだと思います。やっぱり風下ですね」

松本「これがアフターだとまた変わってくると思う。沖のブイとかについてね。季節の進行が遅いから。一ヶ月前の房総ならミドスト・ホバストだから、一生懸命ポークを切って準備したんだけどね」

編集部「両選手とも、涙ぐましい工夫の末の戦いだったと思います。ということで、昨年チャンプの松本さんを降し、三原さんが決勝進出となりました! チャンピオンカーニバルもぜひよろしくお願いします!」

三原「よろしくお願いします!」

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